no había cielo【月島蛍】

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夢を見た《A》といる、夢。



『あ、あれぇ？カレーしゃばしゃばしたんだけどなんで！？』


困り眉で笑いながらお玉で鍋をかき混ぜた《A》





眼の前にある鍋の中のカレーは、

よく見るとろみのあるものではなく何故かシャバシャバしてる





「水っぽ………」

『ん！けど火も通ってるし、美味しいよ！』





一口分カレーを飲んだ《A》は美味しい！と笑った







嗚呼、こんな日はもう来ないというのに



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手を伸ばせば、照明


「夢………………」

空を切る、手。










掴めなかった、手。











『オハヨウ。蛍ちゃん』








機械室へ戻れば、【A】は沢山の人ケーブルに繋がれてる






『寝起き最悪だね』

「それは余計」













そんなところまで似せた覚えはなかったのに。


目の前にいるのがどうしても《A》に見えてしまった









こいつは別物の【A】なのに








顔も、声も同じ

身長も、体格も同じ








音声をはっきりさせればもっと《A》に近づくであろう










けど、それは一種の恐怖だ


〚アンドロイドに縋り付く〛


そんな未来は僕は待ってない。誰も待ってない。










「………おはよA」











悟られぬように、今日も笑うんだ


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