no había cielo【月島蛍】

しじまの骨 ページ1

その人は







【認識ヲ開始シマス】ﾋﾟﾋﾟｯ









「…おはよう。気分はどう？【A】」








さらさらのカスタードクリームみたいな色の髪をした男


黒縁眼鏡の奥にある瞳は、少しやつれて隈がある










【始めてみた、黄色】ﾋﾟﾋﾟｯ











【ワタシハ、A。オハヨウ あなた】











「つきしまけい。僕の名前。読んでみて」


『つキシ まケイ
つきしま ケイ』







パクパクと動く口からでる言葉は、

発音も区切りも異なり、違和感が多くある









「認識はされてる…音声プログラムの問題かな……」








男は、顎に手を当ててましたかな２５センチ以上も小さいアンドロイドに呟く







『…つキシま ケイ』

「そこらの家電と変わんないじゃん


ああ、もう大丈夫。」






男は振り返って、またパソコンの前に座った







「もう少し声の強弱を………いや、舌位置か…？」

「滑らかな滑舌にするには動きを足したほういいかな……」








言う通り、黙るアンドロイドとため息をつく男___つきしま けい















【ワタし A
　あなた つきしま けい】ﾋﾟﾋﾟｯ





【認識ガ完了シマシタ】

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