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「よく知らないけど、助けて貰ったんだろう?だったら、その恩には報いなきゃねぇ。」
曲がった腰に後ろで手を組んで、ふっと微笑む。
「......。」
「......。」
じっと数秒、新門大隊長と見つめ合う。
「えっと...それじゃあ、お世話になってもいいですか...?」
「ああ。」
ほんの少し、微笑んだように見えたのは私の気のせいだろうか...?
※
「すみません、突然。」
「構わねえよ。いつも誰かしら居るからな。それに、若が決めたことだろ?」
私に食事を出してくださる紺炉中隊長に軽く頭を下げる。
「ここに住むのかA?」
「毎日遊べるのか?」
「家が直るまでね。毎日かぁ...お手柔らかにお願いします。」
私の両腕にガッシリしがみつく双子ちゃんに苦笑いをしてみせる。
「いや〜!Aの嬢ちゃんが来てくれるとなりゃあ華やかになるなぁ!」
「おい!もう"Aの嬢ちゃん"じゃねえよ!」
「ああ!そうか!」
『よろしくお願いしやす!Aの姐御!!』
第七の皆さんがバッと私に頭を下げる。
「まっ待ってください!!!ここに住むのはあくまで家が直るまでであって、結婚の予定はありません!!」
「そんなそんな!照れなくってもいいじゃないすか〜!」
「俺たちの事は気にせず仲良くやってくだせえ!」
にっこにこと嬉しそうな第七の皆さん。
そりゃ確かにあの仏頂面破壊王様が嫁を連れて来ら嬉しいだろう...。
がしかし!!!!私は、断じて!嫁ではない!!!
「新門大隊長からもなんとか言ってください!」
「......ああ。」
なんだその間ぁ!?!?
ズズズッとお茶をすする新門大隊長を心の中で軽く睨む。
「姐さん、"新門大隊長"なんてよそよそしいですぜ?」
「そうっすよ姐さん!何だったら俺達のことも存分に呼び捨てにしてくだせぇ!」
「い、いえ...そういう訳には......。」
存分に呼び捨てって...あってるのかな?
「確かに、前は"紺炉さん"、"新門さん"って呼んでくれてなのになぁ。」
紺炉中隊長が眉を八の字にして、ほんの少し寂しそうに小さく息を吐く。
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紫癸(プロフ) - やよいさん» コメントありがとうございます!そして読んでいただきありがとうございます(嬉)少しでも力になれたのなら何よりです!お互い頑張りましょう!! (2021年4月3日 20時) (レス) id: 577fa76214 (このIDを非表示/違反報告)
やよい - 凄く面白かったです!凄く書く気が出ました ありがとうございます 頑張ってください (2021年4月2日 15時) (レス) id: 90306a3c24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫癸 | 作成日時:2021年2月24日 14時