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その後直ぐに診断書を受け取り、私達は浅草へと帰ってきた。




「......っおい。」

「はい?どうかなさいましたか?」




突然歩を止めた若様を不思議に思って、私は彼の方を振り返る。




「さっきの、何だ...?」

「さっき......とは?」




さっきってなんだ?どれだ??ここまで特に会話なかったけど...。

それとも、何か変なものでも落ちていたのだろうか?




「第六のが言ってた......睡眠薬ってなんだ?」

「ああ...。」




まさかこの人がそんな事を気にしているとは思わなかった...。




「ただの、何の変哲もない睡眠導入剤ですよ。」

「違うっ、俺が聞いてんのは...!」




苛立ったように少し声を張り上げる大隊長。




「...誰にだってあるじゃないですか、眠れない事くらい......。」




暗くならないよう、笑ってみせる。上手く笑えてるのかは疑問だけど...。




「お前が、特殊消防隊を辞めたことと、関係あんのか...?」

「えっと......まあ、そうなります..かね...?」




『最近は必要ないですから。大丈夫ですよ!』
と、ひとつ微笑んで詰所へ向かって歩き出す。



新門大隊長がそんな事を気にする人だとは正直思わなかった。

私なんぞにはミジンコほどの興味も無いのかと......。




「おい!ちょっとまっ」


『Aー!!!!!!』


「きゃあ!!」




歩き出した私に、小さな影が2つ飛びつい...激突してくる。

毎度の事ながら、骨持って行かれそうになる...。




「やっと帰って来やがったな!A!!」
「あんまりおせえからどこぞでの垂れ死んじまったのかと思ったぜ!A!!」

「ヒナちゃん、ヒカちゃん。お留守番ありがとうね。」




腰の辺にある小さなふたつの頭をゆっくり撫でる。




「おかえりー若!Aとのデートは楽しかったか〜?」
「イチャコラしてきたか〜?」

「っな!?ちょ...2人とも!?」

「デートじゃねえ。」




面倒くさそうに呟きながら詰所の中へ入っていく大隊長。




「にしし〜ありゃ相当照れてるぜ!なあヒカ!!」
「Aの前だからってなあヒナ!!」

「ちょっと2人とも...私が睨まれるから滅多な事言わないで......。」




楽しそうに笑いあっている双子ちゃんに苦笑いを零す。

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紫癸(プロフ) - やよいさん» コメントありがとうございます!そして読んでいただきありがとうございます(嬉)少しでも力になれたのなら何よりです!お互い頑張りましょう!! (2021年4月3日 20時) (レス) id: 577fa76214 (このIDを非表示/違反報告)
やよい - 凄く面白かったです!凄く書く気が出ました ありがとうございます 頑張ってください (2021年4月2日 15時) (レス) id: 90306a3c24 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫癸 | 作成日時:2021年2月24日 14時

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