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突然掛けられた凛とした美しい声に顔を上げると...




「黄大隊長!ご無沙汰しております。」




私が立ち上がってぺこりと一礼すると、『ええ。』と呟く。

お美しい。




「Aは......」




私と、待合席に座っている新門大隊長を交互に見る。




「あらなに?デート??」




1ミリの歪みも無い顔でそうおっしゃる黄大隊長。




「ちっ違いますよ!!今日は新門大隊長の健康診断の付き添いです!!」

「あら、そう。」




小さく肩をすくめる黄大隊長。




「大体、デートで病院ってなんなんですか...デートだったらもっとこう......」

「......。」




ちらりと新門大隊長の方へ視線を向けると、彼にも見られていたらしく視線がかち合う。




「あ...いや!!その...そういうことでは......//」




訳も分からず何かの弁解をする私をじっと見つめてくる。




「......惚気けてないでいらっしゃい。診察するから。彼、早く帰りたいみたいだし。」

「あ、はい...。」




颯爽と歩いて行く黄大隊長。その後を追って新門大隊長が歩き出す。私もやっと動く。









「うん、問題ありません。この上ないくらいの健康体です。」

「だろうな。」




短く答えながら着物?法衣?を着直す新門大隊長。

まあ予想通りだけど......。




「診断書は適当に書いておくので、もう帰っていいですよ。他の検査した所で何も出ないでしょうし。」

「ああ。」


「Aちょっと待っててね。すぐ仕上げるから。」

「ありがとうございます。外で待たせていただきますね。」




立ち上がって法衣を治している新門大隊長の代わりに私は黄大隊長に頭を下げる。




「ああそうだA、睡眠薬は?処方する?」

「あ...いえ。結構です!」

「そう。」




顔だけこちらに向けていた黄大隊長が小さく微笑んだ気がした。




「必要になったらいつでも言ってね。」




パソコンへ入力をしながらこちらを見ずにそういう黄大隊長。




「まあでも、貴方が眠るまで隣で見守ってくれる好い人でも見つけるのが1番よ。」




こちらへ向けられた視線。なんだか微妙に私とかみ合わない。

視線を辿る。




「......。」

「っあ......行きましょうか!新門大隊長。」




新門大隊長にじっと見つめられていたことを知り。いたたまれなくなってその場を移動する。

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紫癸(プロフ) - やよいさん» コメントありがとうございます!そして読んでいただきありがとうございます(嬉)少しでも力になれたのなら何よりです!お互い頑張りましょう!! (2021年4月3日 20時) (レス) id: 577fa76214 (このIDを非表示/違反報告)
やよい - 凄く面白かったです!凄く書く気が出ました ありがとうございます 頑張ってください (2021年4月2日 15時) (レス) id: 90306a3c24 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫癸 | 作成日時:2021年2月24日 14時

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