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「すみません。」
「あ?」
唐突に謝った私に、新門大隊長が怪訝な顔をする。
「私が第六に伺って診断書は書いていただきます。新門大隊長の事ですから、特に異常はございませんよね?」
努めて明るくそう尋ねてみたのに、彼からの返答は無い。
「あの...大隊長?どこかお体の調子が悪い所でも...?でしたら黄大隊長にこちらに来て頂けないか連絡して...」
「お前も、」
私の言葉を切るように紅様は少し大きく言い放つ。
お前も?
「......お前も、来んのか...?」
「え..あ、はい!もちろんご同行させていただきます。」
「......。」
すくっと背筋を伸ばして、大きく頷いてみせる。
「紺炉!」
今度は紺炉中隊長を呼ぶ。
「すぐ戻る。留守の間頼んだ。」
「あいよ。」
紺炉中隊長はそちらを見ない新門大隊長の背に軽く微笑む。
「『A』!」
「は、はい!」
「......帰ったら、ヒナタとヒカゲと遊んでやれ。」
「あ......はい!」
え......ええ???
『A』って...この人、私の名前知ってたの......!?!?
「何ボケっとしてんだ。早く行くぞ。」
「はい..!!!」
立ち上がって歩き出した新門大隊長に習って、私も急いで立ち上がる。
『気ぃつけてな』
と微笑んでくださった紺炉中隊長に一礼して、大隊長の後を追う。
※
「......。」
「......っ」
「......。」
今待合室で診察に呼ばれるのを待っているのだが、隣の破壊王様は大層イライラしていらっしゃるご様子で......。
胃が痛い......。
『あら?Aじゃない。』
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紫癸(プロフ) - やよいさん» コメントありがとうございます!そして読んでいただきありがとうございます(嬉)少しでも力になれたのなら何よりです!お互い頑張りましょう!! (2021年4月3日 20時) (レス) id: 577fa76214 (このIDを非表示/違反報告)
やよい - 凄く面白かったです!凄く書く気が出ました ありがとうございます 頑張ってください (2021年4月2日 15時) (レス) id: 90306a3c24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫癸 | 作成日時:2021年2月24日 14時