検索窓
今日:13 hit、昨日:5 hit、合計:164,353 hit

46. ページ49

だから、高校で会った時




『また一緒だね、Aちゃん!』




及川が来てくれてすごくすごく嬉しかった。

でも、私は天邪鬼な可愛くない態度とって...


それでも及川がAちゃんAちゃんと寄ってきてくれるのが嬉しくて...


でも、『Aちゃん』なのが悲しくて......。


結局私は、委員長の言うとおり...もう終わっただなんて言っておきながら、


いちばん終わらせられてないのは、私なんだ...。

今でもずっと......。




―ガチャっ




「あ、岩泉。おはよう。」

「おせえよ!!ずっと影見えてんのになかなか出てこねえから..調子悪ぃのか?」

「いや、元気だよ。」




やっぱり岩泉はかっこいい...。
靴紐をきつく結んで立ち上がる。




「行こっか!」

「おう。」









「で、どうすんだ?」

「え?なに??一緒に見に行ってくれるんじゃないの!?行かないの代表決定戦!?」

「そっちじゃねえよ!!」




冬も近づく澄んだ空気の街に岩泉の大きな声がこだまする。




「及川だよ及川。俺とお前の共通点なんてそこしかねえだろ。」

「そんな寂しいこと言わないでよ!あるでしょ他にも!!!!」




今度は私の声がこだまする。




「春高...終わってないでしょ。」

「終わったよ...俺達は。」

「そんな寂しいこと言わないでよ......。」




私達の会話は冷たくなってきた風に攫われて消えて行く。

ほんの少しだけ目が腫れた様な、泣いた様な跡がある。

かっこいい岩泉だって、やっぱり年相応の男の子なんだ...。




「岩泉、3年間...おつかっ」




正面にぴょんと飛出て、言おうとした言葉は、岩泉の大きな手によって塞がれる。




「それ、言ってくれんのは嬉しいけどよ...1番はアイツにやってくれや......。」




少し照れたようにそっぽ向く。

ああ...男の子っていいなぁ...。




「私、結婚するなら岩泉がいいな〜。」




歩き出しながら空に軽く叫ぶ。


いや......




『ないな。』『ねえな。』




隣に来た岩泉と声が重なって、2人目を見合わせて笑う。

紫癸です!※追記2021/12/06→←45.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (115 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
520人がお気に入り
設定タグ:及川徹 , ハイキュー , 青葉城西高校   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紫癸(プロフ) - RIOさん» 呼んでいただきありがとうございます!全然更新できてなくてすみません...頑張って完結させます!!! (2021年11月8日 21時) (レス) id: 577fa76214 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 小説読ませてもらってます!めっちゃ面白いです!!更新待ってます! (2021年11月3日 19時) (レス) @page50 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
紫癸(プロフ) - ねこ@自己満小説さん» 読んでいただきありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです!!^^更新頑張ります! (2021年8月8日 14時) (レス) id: 577fa76214 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ@自己満小説(プロフ) - この作品めちゃくちゃ好きです!展開も早くてもうあの、性癖にグサッときましたね!これからも頑張ってください!! (2021年8月7日 12時) (レス) id: d675a829f6 (このIDを非表示/違反報告)
紫癸(プロフ) - さ。、さん» コメントありがとうございます。なるほど……そうですよね、申し訳ございません。物語の構成上まだ名前呼びにはできないので、苗字変更できるように調整します!!貴重なご意見ありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2020年6月15日 18時) (レス) id: 09e86c6bee (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紫癸 | 作成日時:2020年6月2日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。