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だから、高校で会った時
『また一緒だね、Aちゃん!』
及川が来てくれてすごくすごく嬉しかった。
でも、私は天邪鬼な可愛くない態度とって...
それでも及川がAちゃんAちゃんと寄ってきてくれるのが嬉しくて...
でも、『Aちゃん』なのが悲しくて......。
結局私は、委員長の言うとおり...もう終わっただなんて言っておきながら、
いちばん終わらせられてないのは、私なんだ...。
今でもずっと......。
―ガチャっ
「あ、岩泉。おはよう。」
「おせえよ!!ずっと影見えてんのになかなか出てこねえから..調子悪ぃのか?」
「いや、元気だよ。」
やっぱり岩泉はかっこいい...。
靴紐をきつく結んで立ち上がる。
「行こっか!」
「おう。」
※
「で、どうすんだ?」
「え?なに??一緒に見に行ってくれるんじゃないの!?行かないの代表決定戦!?」
「そっちじゃねえよ!!」
冬も近づく澄んだ空気の街に岩泉の大きな声がこだまする。
「及川だよ及川。俺とお前の共通点なんてそこしかねえだろ。」
「そんな寂しいこと言わないでよ!あるでしょ他にも!!!!」
今度は私の声がこだまする。
「春高...終わってないでしょ。」
「終わったよ...俺達は。」
「そんな寂しいこと言わないでよ......。」
私達の会話は冷たくなってきた風に攫われて消えて行く。
ほんの少しだけ目が腫れた様な、泣いた様な跡がある。
かっこいい岩泉だって、やっぱり年相応の男の子なんだ...。
「岩泉、3年間...おつかっ」
正面にぴょんと飛出て、言おうとした言葉は、岩泉の大きな手によって塞がれる。
「それ、言ってくれんのは嬉しいけどよ...1番はアイツにやってくれや......。」
少し照れたようにそっぽ向く。
ああ...男の子っていいなぁ...。
「私、結婚するなら岩泉がいいな〜。」
歩き出しながら空に軽く叫ぶ。
いや......
『ないな。』『ねえな。』
隣に来た岩泉と声が重なって、2人目を見合わせて笑う。
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紫癸(プロフ) - RIOさん» 呼んでいただきありがとうございます!全然更新できてなくてすみません...頑張って完結させます!!! (2021年11月8日 21時) (レス) id: 577fa76214 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 小説読ませてもらってます!めっちゃ面白いです!!更新待ってます! (2021年11月3日 19時) (レス) @page50 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
紫癸(プロフ) - ねこ@自己満小説さん» 読んでいただきありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです!!^^更新頑張ります! (2021年8月8日 14時) (レス) id: 577fa76214 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ@自己満小説(プロフ) - この作品めちゃくちゃ好きです!展開も早くてもうあの、性癖にグサッときましたね!これからも頑張ってください!! (2021年8月7日 12時) (レス) id: d675a829f6 (このIDを非表示/違反報告)
紫癸(プロフ) - さ。、さん» コメントありがとうございます。なるほど……そうですよね、申し訳ございません。物語の構成上まだ名前呼びにはできないので、苗字変更できるように調整します!!貴重なご意見ありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2020年6月15日 18時) (レス) id: 09e86c6bee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫癸 | 作成日時:2020年6月2日 15時