及川徹はただのクラスメイト……である。【及川徹】

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「Aお嬢様、苦しくは無いですか?」

「は、はい......」




テキパキと私に浴衣を着せてくれる坂下さん。幼少期よりお世話になっている。




「楽しみですね。本日はデートとお聞きしました。」




彼女はチラリと私を見上げてふふっと上品に笑う。




「凛と委員長とですよ?花火行くの。」

「おや?そうなのですか..?私はてっきり先程の殿方と凛お嬢様とのダブルデートかと...。」

「違いますよ!あいつらは友達です..!」




それに......デートなら．．．．．．。




「お誘いしたい方がいらっしゃるのですね。」

「え..!?//い、いや......」

「おや、違いましたか?」




『これは失礼しました』
と小さく礼をして立ち上がる坂下さん。




「さ、完成でございます。」

「ありがとうございます。」


「とてもよくお似合いですよ。」

「あ、どうも../」




ニッコリ笑った坂下さんにぺこりと照れ気味に一礼する。

誘いたいからって......誘えるわけじゃないし、第一誘ったって......。




「お嬢様こちらを..。」

「え、口紅......?」

「きっと良くお似合いですよ。」




そう言って花が咲いたように笑う。

血は繋がってないけど..どこか似てるんだよな〜、凛と。

差し出された口紅をゆっくり受け取る。

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