及川徹はただのクラスメイト……である。【及川徹】

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『おい、聞いたか?アレ』

『聞いた聞いた!』

『どっちだろうな〜』

『いやいや、普通に考えてAだろ。』

『わかんねえぜ...だって及川、"Aがかかってんだぜ"?』




「......。」




おかしい。

いや、及川との賭けの話が出回るのはいいんだ別に。別に知られて困るような話では無いし...。隠してるわけでもないし……。


けど、おかしい...




『Aが懸かっている。』




って何だ...?正しくは『私のクッキー』のはずだ。

だと言うのに......




『聞いたぜA女史!テストで及川君がA女史より良い点をとったら何でも言うことを聞くなんて約束したらしいな!!』




何時ぞやのように私の席へ走ってきた委員長。




「違う..!私はそんな約束はしてない!」

「?おやおや??聞いた話と違うねぇ〜?」

「だから!私は..._____」




委員長にことの経緯を説明する。




「なるほど...まあ!どんまい!!」




私の肩に手を置いてにっこりと笑う委員長。




「ちょっと!!!」

「大体A女史、それは仕方の無いことだと私は思うよ。」

「何で?」




よっと声を出して私の前の席に腰をかける。




「考えても見ろよ、そんな賭け事を及川君としたという時点で尾ひれ背びれが着きまくることは想像に難く無かっただろう?」




両手を体の前と後ろでヒラヒラと揺らし、魚の真似事をする。

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