大エース様に告白されました。【牛島若利】

2, ページ3

「na-na-」



「あ、また居る」





帰り道によく会う猫。まだ小さく高い声で鳴く。



首輪がついてるから飼い猫なんだろうけど、この近くなのかな…？





なんて、のんきに考えながら猫の喉を撫でる。




−タッタッタッタッタ




ん？




「A。」






え、





「牛島」





いかにも練習着の牛島。ロードワーク中だろうか？随分遠くまで走るんだな......。





「何をしているんだ？こんな所で。」



「いや、何ということは…。」



「そうか。」





しゃがんで猫を撫でていたので、そばに立っている牛島はいつも以上に大きく見える。





「na-」





猫が牛島の足に擦り寄る。





「む。おまえは…」



「牛島、知ってるの？この猫。」



「ああ、ロードワーク中にいつも見かける。」



「そうなんだ。」





牛島の足下の猫を再度撫でる。





「na-」





気持ちよさそうに私に向かって鳴く。





「A。」



「ん？何？」





猫を撫でながら聞く。









「A、お前が好きだ。」









「．．．．．．．．．．．．は？」









風が吹く。優しく、おだやかに…。



夏が近づく匂いがする。

3,→←1,

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す