Asahi ページ1
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どうしてこんなことになってしまったのだろう。
目の前で眉間に皺を寄せる朝光くん。
そして、後に引けなくなってムキになっているわたしが
まだ少しだけ肌寒い夜道に不格好に並んでいる。
街灯がチカチカと光を点滅させていて
それが妙にリズミカルで、それさえも今はイライラ
する。
『………』
「それはちゃうやん」
『だからさっき言ったやん』
「はいはい、俺が聞き逃してたんがあかんかってんな」
『なにその言い方』
「なに？」
本当にちょっとしたことだった。
地下鉄を降りてわたしの家に向かって歩いている途中、
どうでもいいことで軽い言い争いになって
せっかくの久しぶりのデートが水の泡となった。
何がきっかけだったのかなんて忘れてしまった。
それほど些細なことでどうでもいいことだったのに。
変に意固地なわたしと朝光くんは、どちらが折れる
ことなくお互いを軽く睨んで黙り込む。
そんな調子なのに手を繋いだままなのが格好つかない。
解くようにわたしが左手を振り切ると、簡単に彼は手を
離した。
なんだかそんなこともイライラして、悲しくなって、
「朝光くんのばかやろう」と心の中で野次を飛ばした。
あまりにも理不尽だ。自分でもよく分かっているけれど
意地を張り出したら際限ないのがわたしだ。
こんなに我儘なわたしなんていつ別れを切り出されてもおかしくない。
『もうここでいい、』
「…送っていく」
『いいってば』
「危ないやん」
『っ、すぐそこやもん。じゃあね、ばいばい』
「あかんって、」
視線を合わせず、形式的に呟いた��ばいばい��。
すっかり寂しくなっていた左手はもう一度彼に取られ、
さっきよりも熱っぽい。
顔を上げると朝光くんは少し拗ねたような怒ったような
表情でわたしを見つめる。
『…な、に』
「だから危ないって言ってるやん」
『…離して』
「A、」
『今、これ以上一緒にいたらわたしもっと酷いこと
言っちゃいそうやもん』
「じゃあこっち見んくても良いから」
わたしは素直じゃないし、意地だって張るし面倒臭い。
朝光くんに軽いため息をつかれていることですら、
自分が情けなくて悲しくて、そんな自分にイライラ
してまた素直になれない。
それがわたし。
手を離してくれない朝光くんに、わたしは手を繋いだ
まま軽く引っ張って強引に歩き出した。
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しけのり(プロフ) - る るさん» こんばんは、コメントありがとうございます！返信、遅くなってしまいすみません…！嬉しいお言葉ありがとうございます☺︎やっとですが投稿出来ましたので読んで頂けると嬉しいです😌 (2022年5月22日 21時) (
レス) id: 6d2ef5ed88 (このIDを非表示/違反報告)
る る - いつも読んでます！最高です、、😭 更新大変だとは思いますが頑張ってください！！ 毎回きゅんきゅんしてます 🤤 (2022年5月1日 12時) (レス) id: f0c007650d (このIDを非表示/違反報告)
しけのり(プロフ) - りかさん» こんばんは、コメントありがとうございます！投稿を楽しみにしていただけてるなんて、とても嬉しいお言葉です🥹只今頑張ってお話を書いている途中なのでもう暫くお待ちください☺︎ (2022年4月27日 19時) (レス) id: 6d2ef5ed88 (このIDを非表示/違反報告)
りか(プロフ) - 次の投稿楽しみにしてます＾＾ (2022年4月26日 15時) (レス) id: eaa1cd6714 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しけのり | 作成日時：2022年4月8日 10時
