スターランド4

【Like or LOVE】6 ページ6

言い切ってしまうところがすごいなと思いつつ、これが羽生結弦なんだなと思う。

「みやの歌詞の中に自分の日常をあてはめたら。ずっとみやが側にいるみたいに感じるから。」

「……。」

何それ、全てが別格。てかそこまで聴き込んでくれてるんだ。
やばいってぇ、マジでやばいってもー！こういう部分が人を惹き付けるんだからぁ、男でも女でも！

「歌ってる声もね。心地良い。」

さらにそんな褒め言葉…。もう死んでもいい…いや、ダメダメ。

「僕も…ゆづくんを側に感じたい。」

「俺？」

「だってしばらく会えないんだもん…。」

最終日でちょっと情緒が不安定だから、つい訳のわからないお願いをしてしまう。

「何かあげるものあったかなぁ。」

「今着てるＴシャツでもいいよ。」

ゆづくんのにおいがびっしり染み付いてるやつ。
次のファンタジーは一年後。一年間我慢できるようにと想いを込めてお願いしたのだが…。

「え？これは…汗かいてるからダメ。」

ぎゅっと守るように自身の身体を抱きしめ拒否される。
ちくしょう！ぶれないな。

「いいもん。あの約束だけでも、みやは一年頑張れます。」

「健気だね。」

「だってゆづくんに嫌われたくないもん。」

もう二度と。あんな陰々としたつらい日々を過ごしたくない。
みやなんていらないって。思われたくない。

「そんな、嫌ったりしないよ。みやこそ、俺を嫌いになんないでよ。」

「なんでそうなるの？ゆづくんを嫌いになんてならないよ。」

こんなにも大好きなのに。
そもそも９年も片想いしている相手を、そう簡単に嫌いになるはずない！
この気持ちは永遠に不変だ。よって僕の方からの気持ちの変化など絶対にない。

万が一、ゆづくんから嫌われることがあるなら、それはこの禁断の想いがバレてしまった時。

「わかんないよ？羽生結弦ってうざいなって、いつか言われそう。」

「言わないよ！！」

「……。」

あまりに理不尽なことを並べ立てるのでちょっと大きな声を出したら、ゆづくんがびっくりして肩をすくめた。
恥ずかしい…つい感情をあらわにしてしまった。

「あ、いや…その、ごめんなさい。」

もう大人なのに。と思いつつ手を顔の前であわせる。
でもこの謝罪は大きな声を出してしまったことに対してだ。否定したことに対してじゃない。

「今のは俺が悪かった。うん。」

するとゆづくんもすぐに謝ってくれて。

【Like or LOVE】7→←【Like or LOVE】5

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す