【大丈夫】6 ページ23
「ありがたいです。まだまだ新人なので、これからもよろしくお願いいたします。」
「新人じゃないですって。充分キャリア積んでますよ。武道館だって成功させたし。ね、みや。」
「よくご存知ですね。」
照れているのか、無言でうつむくみやの側で、マネージャーさんが感嘆の声をあげる。
実は神戸が終わってから、みやのことはかなり予習させてもらったのだ。
基本的なバイオグラフィーからディスコグラフィー。FCに至るまで、少しの漏れもないよう全力で情報収集に努めた。
「へへへ。あ、もうすぐデビュー4周年ですよね。おめでとう。」
「そんなことまで?!」
これはみやの声。
ふふふ。もう俺が知らないことなど何もないのだよ。
「来月にはお誕生日だし。お祝いいっぱいだね。」
ちなみにみやの誕生日は7月11日。某コンビニチェーン店と同じなのだ。
「そんなに興味を持っていただけで…。」
光栄です。とマネージャーさんにまた頭を下げられてしまった。
「元々研究気質なんですよね〜僕。」
好きになったらとことん調べたいタイプ。
それはみやだけに限らず、他のことでもそうだ。
「オタク…。」
今隣でAが何か呟いたけど無視する。
「え、ゆづくんのお誕生日って?」
そんなAの中傷を書き消すように、みやから嬉しい質問が。
「俺は12月7日。」
数字にはこだわってるから、覚えておいて欲しいなと目尻を下げる。
「あっ、惜しい。11月だったら逆の数字だったのに。」
みやが口を尖らせる。
要するに711と117。ミラーナンバーってことが言いたかったのだろう。
「そうだね。でもゾロ目生まれってなかなか多彩なんだよ?」
「…僕?」
「うん。」
どれどれ。とすぐに携帯で調べるあたり、好奇心と直感が優れているのかなと思う。
素直な心、俺がみやの好きな部分のひとつ。
「へーそうなんだ。」
そうして一通り読んで納得した所で…。
「みや、写真撮ろ。」
「えっ。」
「写真。」
俺から声をかけると、みやの涙袋つきの目が大きく開かれ、そしてすぐに手の中の携帯へと視線が移される。
ガチのプライベートだからあり得ないと思われたかも。
会場でも撮ったけど、あれはあれ、これはこれ。最後の移動も思い出の1ページとして残したいと思ったのだ。
「撮りたい…。」
よし、みやも乗ってきてくれた。
慣れた手つきでアプリを起ち上げ、自撮りするため手を伸ばす。
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鹿(プロフ) - らっきさん» 読める心境になってよかったです!気持ちには応えられないけど好きでいていいんだって、羽生さんに言って欲しかったんです。お話の中だけでなくお互いの立場上、様々な困難があるでしょうし。夢もあるし。さてツアー!たまアリに行けますように!!ありがとう! (9月11日 23時) (レス) id: 4f12fa325f (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - 完結おめでとうございます!やっと読める心境になり、読みに参りました。やはり切ない結末で、でも未来が見える終わりでしたね(*^^*)二人ともお互いが別の形で支えになっていくんだなーと思いました。新しいツアー、チケ取りもまた頑張りましょう。お疲れ様でした! (9月11日 22時) (レス) @page28 id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - エミルさん» でも書くのをやめると結構暇ですね。最近は宮川界隈でオタクしてますが(*^^*)みやのライブで癒されてます。いつかお会いすることがあったら、ご挨拶させてくださいね! (8月21日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - エミルさん» スケートのシーン。夢小説には必要ないのかもしれないど、こだわりたかった。スケートで何かを伝えたり、心を重ねてみたりするのが好きなので。 (8月21日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - エミルさん» スケートとは、ファンとは、プライベートとは…。想像ですけど、こうであったらいいなと思いながら書きました。普通の生活が難しい人なので、実際お相手の方はなかなか大変だろうなと、ちょっと同情したりして(笑)友達以上恋人未満、くらいがちょうどいい気もします^^ (8月21日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2023年8月8日 23時