【大丈夫】5 ページ22
★ゆづサイド
Aから、俺の外と家とのギャップをばらされるとは思わなかった。
確実に俺を下げにきたな。みやにイケてないイメージをうえつける作戦か?
帰ったら覚えてろ。
先にお風呂に入って長風呂してやる。
新幹線に乗り込んで、通路を進む。
荷物の置き場に手間取っていたら、先に座っていたAが…。
「あ、宮川さんゆづ兄の前だ。」
「えっ。」
自分も席に着きながら2列シートの隙間から覗くと、向こうもAの声に反応して俺たちを振り返った。
「ゆ、ゆづくん!」
「奇遇〜。」
軽く手を振る。
まだ少しみやと一緒にいられそうだ。
俺は視線をAへ向けて、みやと席代われよとジェスチャーで訴える。
「……。」
しかしAはつーんとしてて、また携帯へ視線を向けた。
こいつ!どうしても譲る気ないな。そんなに俺とみやを近づけたくないのか。
俺がみやの隣の人にどけと言うわけにはいかないし…仕方ない。この小さな隙間から会話するしかないな。
座りながら前を覗き込むと、みやの隣はマネージャーさんで。
みやはみやで、なんかまだ緊張してるみたいだし他愛もないお話しになっちゃうかなと少し残念に思っていると、不意にマネージャーさんが深々と頭を下げ、俺の名前を呼んだ。
「羽生さん、お疲れさまでした。宮川も良い経験をさせて頂いて、大変勉強になりました。」
ありがとうございます。と丁寧にご挨拶され、こっちが恐縮してしまう。
「いえ。みやかわくんとってもかっこよかったですよ。」
神戸の後、SNSの反応をみたのだけど、みやとのコラボは好評で、歌の上手さはもちろん、オープニングの選曲もとても満足されている書き込みが多かった。
レゾンだって、今までとは少し違う振り付けやスケートが伝わっている印象を受けたし。
色々勉強してよかったなと、自分も嬉しく思っていたところだ。
「最初はどうなることかと思ってましたけど、無事に終わってほっとしてます。宮川、静岡では神戸の時みたいに羽生さんに何かご迷惑をかけませんでしたか?」
「え、ちょっと!」
マネージャーさんの問いにみやが慌てている。
神戸で過呼吸でぶっ倒れたことを気にしているのかな。あれはあれで仲直りのきっかけになったから、俺としては全然問題ないのに。
「いえ。全然。僕自身めちゃくちゃ楽しかったですし、みやがコラボ相手で良かったなって思ってます。」
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鹿(プロフ) - らっきさん» 読める心境になってよかったです!気持ちには応えられないけど好きでいていいんだって、羽生さんに言って欲しかったんです。お話の中だけでなくお互いの立場上、様々な困難があるでしょうし。夢もあるし。さてツアー!たまアリに行けますように!!ありがとう! (9月11日 23時) (レス) id: 4f12fa325f (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - 完結おめでとうございます!やっと読める心境になり、読みに参りました。やはり切ない結末で、でも未来が見える終わりでしたね(*^^*)二人ともお互いが別の形で支えになっていくんだなーと思いました。新しいツアー、チケ取りもまた頑張りましょう。お疲れ様でした! (9月11日 22時) (レス) @page28 id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - エミルさん» でも書くのをやめると結構暇ですね。最近は宮川界隈でオタクしてますが(*^^*)みやのライブで癒されてます。いつかお会いすることがあったら、ご挨拶させてくださいね! (8月21日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - エミルさん» スケートのシーン。夢小説には必要ないのかもしれないど、こだわりたかった。スケートで何かを伝えたり、心を重ねてみたりするのが好きなので。 (8月21日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - エミルさん» スケートとは、ファンとは、プライベートとは…。想像ですけど、こうであったらいいなと思いながら書きました。普通の生活が難しい人なので、実際お相手の方はなかなか大変だろうなと、ちょっと同情したりして(笑)友達以上恋人未満、くらいがちょうどいい気もします^^ (8月21日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2023年8月8日 23時