【大丈夫】2 ページ19
■みやサイド
ゆ、ゆづくんだ…!
てっきり先に帰ったと思っていたのに、まさか同じ時間の新幹線だったなんて…。
帽子とマスクをしてるから近くに来るまでわからなかった。
やだぁ…気まずい。情緒を爆発させた後だからめっちゃ気まずい。
しかも無視されるかと思っていたら、めちゃくちゃ気さくに話しかけてくれるし。
ねねね、何号車?なんて…。子供みたいに可愛い動きで近づいて来ないで。また好きって言っちゃうでしょうが。あぁもぅ、バンビめ!
「えっと…5かな。」
「おんなじじゃん。」
「……。」
情けなくもまた情緒不安定が復活しそうな中、必死に冷静さを保ちつつひとまず切符を確認する。
おそらく関係者はみんな近い席なんだろう。てか同じ場所で待っているのだから同じ車両に決まってる。そんな天然なとこもかわいいんだから!
「あ、静岡のお土産。なんか買った?」
「お土産?」
「うん。」
矢継ぎ早に話しかけてくるゆづくん。
えーっと。これは中学生の修学旅行の会話かな?
「いや、特に何も…。」
お土産か…。ゆづくんのことでいっぱいいっぱいだったのでそこまで頭がまわらなかった。
「そうなの?Aなんてめっちゃ買ってたのに。」
お茶のクッキーに大福に…とゆづくんが荷物を指差し教えてくれる。
「そうなんだ。僕も買えばよかった。」
「あ、新幹線の中で買えるんじゃない?」
それは車内販売かな。本当はあまりお土産の気分じゃないのだけど、とりあえず話を合わせておく。
「そっか。…あ、“新幹線すごい固いアイス”食べたいな。あのカッチカチのやつ。」
時々マネージャーさんが買ってくれる名物アイス。
全然スプーンが刺さんないの。
「あれな!俺は食べないけどAがよく食ってるわ。隣で必死こいてアイスほじくってるのが面白くて…。」
そこまで呟いて、話半ばでゆづくんの表情が固まった。
どうしたのかな。どうやら僕の背後を見ているようだけど…。
「……。」
気になるのでゆっくり振り返ってみると、妹のAさんが眉をひそめ、めちゃくちゃゆづくんを睨んでいた。
「ゆづ兄…。」
食いしばった歯をギシギシさせながら、おまけにゴゴコ…と炎を背負ってるようなオーラをまとっている。
これは、怒ってるのかな…?
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鹿(プロフ) - らっきさん» 読める心境になってよかったです!気持ちには応えられないけど好きでいていいんだって、羽生さんに言って欲しかったんです。お話の中だけでなくお互いの立場上、様々な困難があるでしょうし。夢もあるし。さてツアー!たまアリに行けますように!!ありがとう! (9月11日 23時) (レス) id: 4f12fa325f (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - 完結おめでとうございます!やっと読める心境になり、読みに参りました。やはり切ない結末で、でも未来が見える終わりでしたね(*^^*)二人ともお互いが別の形で支えになっていくんだなーと思いました。新しいツアー、チケ取りもまた頑張りましょう。お疲れ様でした! (9月11日 22時) (レス) @page28 id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - エミルさん» でも書くのをやめると結構暇ですね。最近は宮川界隈でオタクしてますが(*^^*)みやのライブで癒されてます。いつかお会いすることがあったら、ご挨拶させてくださいね! (8月21日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - エミルさん» スケートのシーン。夢小説には必要ないのかもしれないど、こだわりたかった。スケートで何かを伝えたり、心を重ねてみたりするのが好きなので。 (8月21日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - エミルさん» スケートとは、ファンとは、プライベートとは…。想像ですけど、こうであったらいいなと思いながら書きました。普通の生活が難しい人なので、実際お相手の方はなかなか大変だろうなと、ちょっと同情したりして(笑)友達以上恋人未満、くらいがちょうどいい気もします^^ (8月21日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2023年8月8日 23時