輝く水平線5

【心の温度】3　☆ ページ7

☆主人公サイド

「えっ！」

たった今メッセージを送って、既読がついたなと思った瞬間。なんと羽生さんから電話がかかってきた！

起きてるんだわ…。
でもどうしてメッセージじゃなくて電話？
ベッドに座ったまま小首を傾げる。

「そんなことより出なきゃ！もしもし！」

緊張しながらも、即刻通話ボタンを押すと…。

『おはよ。朝から声でかくね？』

案の定、いつものからかうようなセリフと共に、安定した低い声が私の耳に届く。

「そっ！…すみません。」

それに対し、そうですか？！と叫びかけてなんとか飲み込む私。
確かにテンションが高すぎたかも。

『ふふふ、いいよ。もう１０時だしね、冗談。』

羽生さんが落ち着いた様子で笑う。
わぁ、イケボイスすぎて溶けそうだわ…。まったりとして、まるでバニラアイスと会話してるみたい。
キュンキュン〜…。

「あの…起きてたんですね。」

そんな至福を悟られないよう、表面上は冷静さを意識する。
声だけで萌えたなんて知れたら、さすがに羽生さんが引いちゃうわ。

『うん。Aさんこそお仕事じゃないの？』

「私は今日はお休みで…。」

『そっか。よかった。』

…よかった？何がよかったのかしら。昨日一緒に仙台でゆっくり過ごすつもりだったから休みにしたのは内緒だけど…。
それよりフリーに行けなかったことを謝ろう。

「えと、それより昨日は行けなくてすみませんでした。」

『あぁ。本当に。』

「え？！」

すると予想外の返答に変な声が出る。
そこ肯定するところかしらと思いきや…。

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