【平常心平常心】3 ☆ ページ45
「ブロック大会の時お店の予約しようと思ったらちょうどAさんからメッセージ着てて。もうガッカリしたマジで。」
「ホントですか?」
「俺Aさんとご飯食べるの好きって言わなかった?」
そして私の顔を覗き込むように小首をかしげた。
「そ、それは光栄です。」
照れる〜。人を喜ばせる天才かな、羽生さんて。
こんな思わせぶりな発言、女性なら絶対勘違いするよ〜。
顔から火が出そうなくらい恥ずかしくてうつむいていると、不意に羽生さんが拳一個分だけずらすようにお尻を移動させ、私の方へ寄ってきた。
すると、フローラルの香りがふんわりと漂ってきて…。
「くんくん…いいにおいがしますね。」
思わず鼻を鳴らしてしまった。
「また俺のにおい嗅いでるの?」
「え、だって自然と漂ってくるから。」
近寄って来たのは羽生さんの方なのに。
その流れからか、なぜかニットのにおいを確認している。
「シャワーしたんだけど汗のにおいはしないよね。」
なんと!わざわざ身だしなみを整えてくれたと?!
なんて紳士…。でも何もしなくても無味無臭なのに羽生さんたら自意識過剰だわ。でもそこがカワイイ!
「…私も浴びてくればよかったかな。」
むしろ逆に女性としてそこまで気が回らなかった自分に幻滅だ。
時間はあったのに。手紙を書きながらお茶してる場合じゃなかったー!
「汗かく季節じゃないしAさんは大丈夫だよ?」
「そ、そうですか?」
「もちろん、ほら。」
ほら?
謎の呼び掛けに対してじっとしていると、なんと羽生さんが顔を近付け、私の髪に鼻を寄せた。
「…ふわ?!」
「お砂糖みたいな甘い香りしかしないし。」
そして私の頭にそっと手をあて、引き寄せながら髪を撫でる。
「は、羽生さん?!?!」
こここここんなの!いくらなんでも愛ですぎなのでは?!恋人同士じゃあるまいし、反則だよぉ!
「いっつも俺のにおい嗅いでるから。お返しね。」
私だけが焦っていると、羽生さんがカラカラと笑いながら天井を仰いだ。
わかってたけど!からかわれただけだとしても、私の心臓を爆発させるには充分な所業だということをおわかりかー!!
「なんか…いつもと違う…。」
はめを外す羽生さんなんてレアすぎる…。
どうしていいのかわからずに私が頭を抱えると、ようやく身体を引いて距離をとってくれた。
…それはそれで寂しい、かな。
私は立場もわきまえず赤面してしまった。
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鹿(プロフ) - 王様じゃんぷさん» このまま帰ってしまったらお話が続かないので、どうすれば帰らずにすむのか?!そこの流れが次回のお話です^^しかし雨長いですね。お気を付けください! (2021年8月16日 8時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
王様じゃんぷ(プロフ) - 焼き肉のあとアスカだから帰らないと〜でも帰りたくないな〜(はあと)天気も悪くウィルスも蔓延してますがお体に気を付けて下さい! (2021年8月13日 21時) (レス) id: 8d4c9c3192 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 璃子さん» 本当に好きな推しは、そっと見守るしかできませんよね^^存在自体が尊いので、生きててくれるだけでいいんです。あと、たまに露出してくれると生きてゆけますね!!手紙好評で嬉しい〜〜^^ (2021年8月5日 20時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 美緒さん» 恋する羽生さんはこれからどうなってしまうのか。書いてて楽しいです。現実では絶対にあり得なさそうで(^-^)一応これからターニングポイントでしょうか。色々妄想も膨らみます! (2021年8月5日 20時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 王様じゃんぷさん» 星100億個ありがとうございます!私の見解では、オリジナルフラグをはずし忘れた時点で低評価つけるのは、中2病だと思うんですよね。ある程度の年齢の方は評価をしない傾向にあるような…負けないぞ!(笑) (2021年8月5日 20時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2021年7月7日 17時