【お宮参り】3 ★ ページ18
ここは山も近いし、小動物が遊びに来ててもおかしくない。
野うさぎだったら嬉しいな。と、わくわくしつつ、石の裏へ回ろうと翼を抱っこしたまま近寄って見ると…。
「ばぁ！」
「うわっ！」
かくれんぼみたいに、誰かが石影からぴょこっと出てきた。
危ね！びっくりして翼を落っことす所だった。
子供のイタズラかと注意してやろうとしたその時、俺はものすごい違和感に気付き、さらに悲鳴を上げてしまう。
「わぁー！お、お前…！！」
「えへへ。見つかっちゃったぁ。」
ぴょんとジャンプして石畳の上に出てきた男の子。
寒いのにまるで一休さんのような格好をしているのはこの際目を瞑ろう。
問題は顔の真ん中にあるでかい目玉だ。
「わ、わわ…ひとつ、一つしか…！」
「白狐のお兄ちゃん、こんにちは！」
「よ、寄るな！」
遮るように片手を目の前に広げ、相手の動きをストップさせる。
いくら可愛く小首をかしげられても、こんにちは、とは返し難い。なぜならこの子が見た目からして、完全に妖怪だからだ。
「ねぇねぇ、その赤ちゃんは？」
「待て、そ…その前に一応名を名乗れ。」
「ぼく？ぼくは一つ目小僧だよ！」
やっぱり…。いや、目が一つしかないから分かっていたのだけど、念の為本人の口から確認したかっただけだ。
「一つ目小僧くん…こんな所で何をしているのかな？」
翼を守るように抱き、恐る恐る尋ねる。
無いと思うけど、その赤ちゃんちょうだい。とか言われたらたまらないから。
性格上、最悪のパターンを予想してしまうのは悪い癖なのだ。
「何もしてないよ。前ここに住んでたお姉ちゃんを見かけたから、久しぶりに会いに来ただけだもん。」
……。
Aのことだな…。あいつ、ちょうちん小僧だけでなく一つ目小僧とも交流があったとは。
「…もう帰った方がいいんじゃね？」
どっちにしろ妖怪は危険すぎる。
俺はなるべく怒らせないように、優しく語りかけてみる。
「えー…せっかくぼくの姿が視える人に出会ったのに？」
「それって俺のことか。」
「うん。あと、そこの赤ちゃん。」
「えっ！」
一つ目小僧が俺の胸元を指差したので、思わず腕の中にいる翼を凝視する。
翼が…まさか視えるタイプなのか？！
「赤ちゃんの名前はなぁに？」
教えて。と、まだパニックな俺に重ねて個人情報を要求してきたので、警戒しつつ一歩後ずさる。
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鹿(プロフ) - みなみさん» ありがとうございました。妖怪なんて知識ないので、ネットに頼りっぱなしで…。地震のとき、真っ先に羽生さんを心配してしまいますね。どうか無事で！ (2021年2月14日 20時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - ついに完結ですね。面白かったですよ。妖怪が絡むお話なんてなかなかないと思いますし。 大きめの地震がありました。うちもけっこう揺れましたけど、仙台はもっと強い揺れだったようで、羽生くんが心配。とにかく、みんなが無事でありますように。 (2021年2月13日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 〜空〜さん» 完結がモットー(*^^*)みなさんに楽しんでもらえたかなー。自分でも作品を読み返すのですが、最初は書きやすいのですが、だんだんネタが尽きてくるパターンが多いです(笑)くっつくまでが楽しいんですよねー。また読みに来てくださいね！ (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - キャラメル味さん» 最後結構ばたばたと終わらせてしまいましたが楽しんでもらえてよかったです(*^^*)やっぱり羽生さんには女の子だよなーと、妄想してしまいました。兄をサポートするしっかり者の弟。というイメージですかね。 (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 璃子さん» ご愛読ありがとうございました(*^^*)今回双子にしたのですが、成長するとどっちがしゃべってるのか分からなくなりそうで難しいかも。結局新しいお話を書いてしまい、またしんどくて楽しい生活が始まってしまった…。 (2021年2月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2020年12月16日 18時
