【女難の相後編】7 ☆ ページ46
☆主人公サイド
「天后さん、ちょっと出てきてー。」
午後、夕食のあとに時間が出来たので、この家のどこかにいる十二神将、天后さんを呼ぶ。
するとある一点で光が眩しく光り、その空間の歪みの中から、白いワンピースを着た天后さんが現れた。
「お呼びですか。晴明さま。」
そしていつものように、私の前で美しい髪をなびかせ膝まずく。
「うん、よかったら一緒にテレビでもどうかなーって。」
「テレビ…。」
「あ、リビングにある薄っぺらいやつ。」
分からなかったかな?と実物を指差しながら伝える。
「もちろん存じ上げています。でも、突然どうして…。」
「見て欲しいのがあるんだー。」
「……。」
そう。私が今日天后さんを誘ったのは、世界一と誉れ高い本物の羽生結弦のスケートを知ってもらうため。
結弦くんが激闘の末、表彰台の真ん中に立つ瞬間を、感動と共に一緒に讃えたい。そうすれば、結弦くんがすごい人だって分かってもらえるはず!
「ちなみにさっきまでどこにいたの?」
天后さんをソファーに座らせ、テレビのスイッチを入れゆっくりとディスクをセットする。
「最近はリビングの花瓶です。今は紫陽花が綺麗なので気持ちが和らぎます…。」
「そっか。」
実家からもらった紫陽花を切り花にして生けているものだ。
またこっちのお庭にも植えよう。
「何が始まるのでしょう。」
「いいからいいから。さ、見ようか。」
準備ができたので、自分も天后さんの隣に座る。
そしてリモコンの再生ボタンを押してスタートさせたのは、もちろん本人おすすめの2019年世界選手権inさいたまスーパーアリーナだ。
結弦くん、負けず嫌いだから絶対優勝した試合しか見せるなって言ってたんだよね。ふふふ、分かりやすい性格。
「これは…?」
すぐにオープニングが始まり、CGを駆使した選手たちの美しい姿が写し出され、天后さんが食い入るように画面を見つめている。
よかった。掴みはオッケーだ。
「4年くらい前のなんだけど、これから結弦くんのお仕事を説明しようと思って。」
「あっ、ご主人の背に羽衣が…。」
他にも!と天后さんが驚いた素振りを見せるので、これは人の手によって後から手を加えられた映像であることを説明する。
「こういうキラキラの衣装を着て、氷の上で滑るんだよ。ほら、あんな風に!」
ふとオープニングに混じってカナダでの練習風景が映り、その中で黒い子が4回転ジャンプのコンビネーションを跳んだ。
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鹿(プロフ) - みなみさん» 何を着ても似合う羽生さん^^アラビアンには衝撃でしたけど、髪型がもう少し少年ぽかったらよかったかも…。最近オリジンの衣装がポイント高くて、またあんなのきてくれないかなって思います。^^ (2020年10月19日 15時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 翡翠色の衣装、ピンクにもなっていましたけど、元のいろは翡翠色なんでしょうかね。色は加工して何色にでも出来るみたいなので。きき湯のカラースーツが元はグレーだったり、ガーナの赤いのが紫にもなってましたね。 (2020年10月16日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» へえ〜。私は今回パウチを買ったのでそれほどたくさん量はないのですが、もともとガムを食べる習慣がないのであげてます。翡翠色の衣装が最高に好きで、また着てくれないかなーと思います^^ (2020年10月16日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 最近、メルカリ始めたのですが、食べないガム買うよりも楽に揃えられるので、買っちゃった。この頃あまり余裕をもっての買い物ができないので、ありがたいわ、と思いながら。掘り出し物見つかるとついつい買ってしまいます。売るより買う方が多いな。 (2020年10月14日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» お返事遅くなりすみません!えと、なかなかお話が進まなくて書けてないんです〜^^;どうしようかな〜。グッズといえば、マスクケース欲しいよ〜晴明さま! (2020年10月11日 10時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2020年8月26日 16時