【氷と雪】9 ★ ページ36
「うん、君が雪女だってことと、俺に好意を持っていることはよーく分かった。でも俺にはもう奥さんいるから。」
「やだやだ!2番目の女でいいから側にいたい!」
「妖怪でしょ。無理だし。」
つかなんだこの会話。
2番目とか人間相手でもあり得ないし、そういう下世話な話とは無縁の世界で生きてきた手前、やめて欲しい。
「ちなみに雪女さんは、どこで羽生くんを知ったんですか?」
ふとAが話題を変えたいのか、無難な質問をする。
これには雪女もまんざらでもなさそうで、とたんに機嫌が良くなった。
「ソチ落ちってやつ?前に住んでた地方で偶然民家のテレビ見たのー。そしたらかわいくってイケメンの男の子が氷の上を滑ってるじゃない。これはもう仲間だって思ってー。」
スケートの氷と雪が同じ部類だとでも言いたいのか、雪女が酔っぱらいのように太ももをぽんと叩く。
「ファンなのは嬉しいけど、それ以上越えて来ないで。」
出来る限り気持ちは受け止めるが、今までファンとの接し方に関してはきっちり線を引いてきたのだ。
妖怪とはいえ特別扱いは自分の意に反するから、ここはびしっと釘を刺しておかないと。
「そんなこと言わないでよー。こう見えて私、彼女気取りのミーハーな霊からゆづくんを守ってるんだよ?」
「は?」
霊…。
「ゆづくんがいると思ってるのか、このリンクには守護になりたい霊がたーくさん来るの。ほとんどが興味本意の魂ばっかりだから真っ直ぐあの世にお帰り頂くけど。」
「……。」
信じがたい内容の連続に、言ってることがファンタジー過ぎて頭が痛くなる。
「さすが羽生くん。私の思ってた通り、この世のものではないファンが集まって来るんだ…。」
Aが感心している中、そういえば前に八百万の神様がどうのって言われたなと記憶をたどる。
この雪女が邪魔な霊を追い払えるのなら、ひょっとして九尾なんかも退治できたのだろうか。…まぁ今となってはどうでもいい事だけど。
「俺の周りってそんないろいろいるの?」
「いるよ。主に妖怪じゃないのがいる。」
今は四種類くらい。と具体的な数字に益々話の信憑性が出てきて、若干背筋が凍りそうになる。
せめて良い部類のがいてくれることを願うばかりだ。
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鹿(プロフ) - るりさん» そうなんです。くっついてしまうとなかなかハラハラドキドキがなくてお話がまったりしてしまうんです。果たしてどちらの方がいいのか悩むところですが…。^^;桃色は、どうやってそっち方向に繋げるか…難しいですね(笑) (2020年4月26日 9時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - コロナで日常の有り難みを感じてます。元気でいるといいなぁ。何気ない新婚生活いいですね^ ^妄想万歳!桃色の方もまた読みたいです^ ^元気にしてるといいですね、、、!!移行楽しみです。 (2020年4月25日 15時) (レス) id: 6fac0f416c (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» ロス期ですね^^;妄想するしかないので、してますけど、面白く書けてるか心配。。。新しく書くほどネタもないので、どうしようかな〜 (2020年4月22日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - こんな時は散髪にも出掛けたくないんじゃないかな?と思うので、久しぶりにお母様が切ったかもと、勝手に思っています。報道ステーションのはだいぶカットされていたから、改めて動画見ました。ZEROでも見られたけど、録画しそびれました。 (2020年4月18日 15時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» いつも、髪は誰が切っているのかなと思ってますが、もうお母さんではなさそうな…。買い物とか大丈夫かなあ〜。心配はつきませんね^^;しかしニュースが羽生さんばかりでもう、スターやなって思いました! (2020年4月18日 9時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2020年3月21日 20時