【夏の再会】3 ☆ ページ3
「いいですよ。」
そして、お面を手のひらで包むように掴んで、そのまま上へずらそうとする。
「えっ…あ!」
いくらおばさん以外誰も注目していないからって、それはやりすぎなのでは?!
私は二人を交互に伺いつつも、成りゆきを見守る事しかできずに言葉が出ない。
そしてついに、お面の隙間から完全に羽生くんの素顔が露になった。
「すみません、こんな顔で。」
「…ほへ?」
羽生くんがそれだけ告げて、またすぐにお面をもとに戻す。
そしておばさんが怪訝な表情をしている中、さっと私の手を取り踵を返して歩きだした。
「ごめんなさい。喉が渇いて我慢できないので行きますね。またお会いしましょう。」
「ちょっと…。」
おばさんに後ろ髪ひかれつつ、ちらりと様子を伺うと、まだポカーンと突っ立ったままだ。
まるで、あまりに不意打ちすぎて、異世界へ飛ばされてるみたい。
「ね、ねぇ。コウくんのお母さん固まってるよ。」
「いいじゃん。動きだす前にとっとと逃げよう。」
半分楽しんでそうな羽生くんが、徐々にスピードを
速めていく。
それに必死に付いていきながらも、頭の中は、これで商店街の人にはバレるだろうなと、半ば腹をくくる。
「どこまで行くの?」
「とりあえずラムネ買ったらここ出るよ。」
え、そうなんだ。もう夏祭りはおしまいなのかな…。
「帰るの?」
「いや、花火のスポット探す。」
そっか、良かった。もう帰るって言われたらどうしようかと思った。
「それならちょっと離れてるけど、橋の上が穴場なの。」
「まじで?じゃあそこにしよ。」
おばさんが見えなくなったことを確認し、小走りに歩く速度をゆるめて。しばらく進むと、まず最初の目的地であるラムネの列に並ぶことができた。
「けっこう並んでるね。」
「暑いからな。あ、Aもラムネでよかった?」
並んでから言うのもなんだけど。と羽生くんが気を使ってくれるのだけど、私もスカッとするのを飲みたかったから問題はない。
99人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鹿(プロフ) - るりさん» そうなんです。くっついてしまうとなかなかハラハラドキドキがなくてお話がまったりしてしまうんです。果たしてどちらの方がいいのか悩むところですが…。^^;桃色は、どうやってそっち方向に繋げるか…難しいですね(笑) (2020年4月26日 9時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - コロナで日常の有り難みを感じてます。元気でいるといいなぁ。何気ない新婚生活いいですね^ ^妄想万歳!桃色の方もまた読みたいです^ ^元気にしてるといいですね、、、!!移行楽しみです。 (2020年4月25日 15時) (レス) id: 6fac0f416c (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» ロス期ですね^^;妄想するしかないので、してますけど、面白く書けてるか心配。。。新しく書くほどネタもないので、どうしようかな〜 (2020年4月22日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - こんな時は散髪にも出掛けたくないんじゃないかな?と思うので、久しぶりにお母様が切ったかもと、勝手に思っています。報道ステーションのはだいぶカットされていたから、改めて動画見ました。ZEROでも見られたけど、録画しそびれました。 (2020年4月18日 15時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» いつも、髪は誰が切っているのかなと思ってますが、もうお母さんではなさそうな…。買い物とか大丈夫かなあ〜。心配はつきませんね^^;しかしニュースが羽生さんばかりでもう、スターやなって思いました! (2020年4月18日 9時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鹿 | 作成日時:2020年3月21日 20時