【揺れる気持ち】14 ☆ ページ40
「今日コウくん、付き合ってる彼女にフラれたんだって。」
『そうなの？つかそんな話どうでもいいわ。』
「私、また付き合ってって言われたの。」
『またぁ？アイツもしつこいな。』
しつこさは、それだけ一途だということ。
羽生くんだってスケートにはしつこいほど特化してるくせによく言うよ。
「コウくん、自分のお店もこの神社も、すごく大切に想ってくれてるの。」
『へぇ。』
「彼となら…私もずっとこの神社で暮らせるんだなって思うと、ちょっと考えちゃうよね。」
遠回しに、意味深なセリフで羽生くんを揺さぶる。
こんなこと言いたくないけど、今回のことがあまりにも羽生くんの独壇場で、自分がいたたまれなくなったのだ。
『どういう意味、それ。』
「私今、ちっとも幸せじゃない。」
『……。』
「羽生くんとの結婚に、幸せを見出だせないの。」
そして。ついには心の内を吐露する。
一生に一度のことを、なぜもっと時間をかけて準備させてくれないのか。
自分の全てが羽生くんの人生のおまけみたく感じて、私の存在が無視されている感覚に、耐えられなかった。
「こんな状態で結婚なんてできない…。」
『…今なんつった。』
羽生くんが、低い声で威圧するように告げる。
でも、今自分の気持ちを伝えなきゃ、本当にずるずると日取りまで決められそうで怖かったのだ。
「私たち、まだ早いと思うの…。」
『早い？２年も待ったんだよ？そんなの、今さらじゃん…。』
「約束はしたけど、考えてみたら私、羽生くんのことまだよく知らない。」
連絡はいつも電話で、離れていることがあたりまえだった。
なのに突然一緒に暮らすとか、やっぱりいきなりすぎる部分があると思う。
『側にいなかったから？』
それもあるかもしれないけど、とにかく今は不安しかない。
「こんなに急かさないで、お願い…。」
私は懇願するように告げる。
羽生くんを好きなのは変わらない。ただ分かって欲しいだけなのだ。
すると羽生くんが少しの沈黙の後、大きなため息をついた。
『…これ以上話しても無駄だから今日は切る。でも何かしらの対策を取らなきゃだめなのは分かって。』
「うん…。」
まるで他人のような声で言われて。
そうして、愛の言葉も交わさずに電話を切った。
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鹿(プロフ) - 果歩さん» ありがとうございます！なんだかプログラム変更とか？？真実なのかはわかりませんが、和風っていいですよね！更新がんばります！ (2020年2月2日 11時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
果歩 - マリッジブルーも羽生君のおかげで解決かな？幼なじみ君早くあきらめてくれればいいのに。笑 次回はどうなるか、またまた楽しみです。 (2020年2月1日 14時) (レス) id: 7087569446 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - るりさん» もっとブルー感を深く掘り下げたらいいのかなって思うんですけど、なんかすぐに立ち直りそうな予感。最近ストックがないので、リアルタイム更新でお待たせしてます〜m(__)m (2020年1月25日 8時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - shifuさん» ありがとうございます！褒めてもらえてうれしいです！更新する度にめっちゃドキドキしてるんですよ〜(;´･ω･)楽しんでもらえたら何よりです＾＾ (2020年1月25日 8時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 主人公ちゃんマリッジブルーかぁ、、。早く２人の気持ちがまた近づくといいですね、続き待ってます！！ (2020年1月25日 6時) (レス) id: 6fac0f416c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2019年12月26日 16時
