【揺れる気持ち】4 ★ ページ30
「こっちは関係者各位、全部根回し…いや、言い方悪いな…連絡済みなんだから。後はお前の返事待ちだよ。」
『ちょ、ちょっと待って。そんなにトントン拍子に進められても困るよ！』
そこまで伝えると、ふとAが急に慌てた雰囲気になった。
予想外の返事に胸がざわつくと共に、呆れた感情が押し寄せる。
「…何でだよ。」
だからつい冷たい口調になってしまったのだが…。
『私の心の準備とか…親にもまだ何も言ってないのに…。』
「はぁ？２年もあったのに何やってんの。」
『だ、だって…。』
今さら感満載のAの言い分が子供の言い訳みたく聞こえて、少し機嫌が悪くなる。
つかこんなんじゃ埒が明かんわ。こういう時、俺はけっこう気が短い。
「まぁいいや、もう俺からご両親に言うから。」
変わって。と言ったら、今いないと言われて出鼻を挫かれる。
めんどくせぇ。
『ちなみに、羽生くんのご両親は何て言ってらっしゃるの…？』
「え？特になんも。結婚するっつったら良かったねって。」
『え…軽い。』
「家族にはずっと引退したらするって言ってたし。Aもそうでしょ？」
順序的にも、おかしなことは何もないはずだ。
最終的に婚約の許しをもらって、数ヶ月後には結婚かなと思ってる。
『待って待って！…じゃあ、私がお嫁にいく感じだよね…？』
「うん。そこんとこ、行ってから直接お話ししようと思ってる。具体的な解決策は提示できないかもしれないけど、いくつかパターンは用意したから。」
『どんな…？』
「例えば俺らの子供に継がすとか。」
『えっ！そんなのでいいの？！』
「例えばだよ。」
はっきり言って後継ぎの件に関しては、未来へ持ち越すことになるかもしれないけど、納得してもらえるよう誠意をもって対応するつもりだ。
『子供に押し付けるとか、かわいそうじゃない…？』
「あくまでも一つの案だよ。」
『……。』
いまいちピンと来てないのか、また黙り込んでしまった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 113人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鹿(プロフ) - 果歩さん» ありがとうございます！なんだかプログラム変更とか？？真実なのかはわかりませんが、和風っていいですよね！更新がんばります！ (2020年2月2日 11時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
果歩 - マリッジブルーも羽生君のおかげで解決かな？幼なじみ君早くあきらめてくれればいいのに。笑 次回はどうなるか、またまた楽しみです。 (2020年2月1日 14時) (レス) id: 7087569446 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - るりさん» もっとブルー感を深く掘り下げたらいいのかなって思うんですけど、なんかすぐに立ち直りそうな予感。最近ストックがないので、リアルタイム更新でお待たせしてます〜m(__)m (2020年1月25日 8時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - shifuさん» ありがとうございます！褒めてもらえてうれしいです！更新する度にめっちゃドキドキしてるんですよ〜(;´･ω･)楽しんでもらえたら何よりです＾＾ (2020年1月25日 8時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 主人公ちゃんマリッジブルーかぁ、、。早く２人の気持ちがまた近づくといいですね、続き待ってます！！ (2020年1月25日 6時) (レス) id: 6fac0f416c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鹿
| 作成日時：2019年12月26日 16時
