【今はまだ】1 ☆ ページ37
☆主人公サイド
目覚めると、ホテルの一室だった。
ここは羽生くんの部屋。でも昨日一緒に過ごしたはずなのに、隣に彼がいない。
おかしいなと思いつつ、身体を起こすと…。
「痛たた…。」
筋肉痛のような痛みを全身に感じて、一旦ベッドに正座する。
「夢じゃない…。」
そう声に出しつつ、そっと自分を抱きしめる。
私、羽生くんと最後までしたんだ…。
そう自覚するだけで、恥ずかしくて頬が熱くなる。
「あ、起きたんだ。」
「羽生くん…。」
そう静かにかみしめていると、不意にバスルームから、まだパジャマ姿の羽生くんが小走りに出てきた。
昨日は気付かなかったけど、薄手のパジャマは身体のラインがよく分かるので、一段と体格が細く見える。
「あはは。相変わらず寝癖。」
「……。」
でもいきなり指を差しながらどうでもいいことを突っ込まれて、少し不機嫌になる。
なによ、少しくらい昨夜の余韻に浸ってもいいじゃない。
私が口を尖らせたのを察したのか、羽生くんがさっと隣に座って寝癖の部分を撫でた。
「ん？そんな顔すんなよ。」
「だって寝癖だなんて…。」
もっと他に言うことがあるだろう。デリカシーがないなと思いつつ、横目で睨む。
「ごめんって。そんな怒んないで。」
それに動じることなく、私の肩を引き寄せておでこにキスをくれる羽生くん。
そんなかわいいことをされたら、すぐに許してしまう。私は照れ隠しで、前髪を手で整えながらベッドを出る。
「着替えなきゃ…。」
「あ、今お風呂にお湯入れてんの。」
「そうなんだ。ありがとう。」
確かにまだ、夕べの感覚が身体のあちこちに残っていて、少し違和感がある。
羽生くんが寝てしまった後、濡らしたタオルで拭くことしか出来なかったので、さっぱりしたいなとは思っていた。
でもここで、彼から思わぬ一言が出る。
「せっかくだからさ、一緒に入んない？」
「え。」
一緒に入る…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 167人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鹿(プロフ) - 心菜さん» きっといつか喜びの涙になりますって＾＾羽生さんも人間なんですよ。神や聖人君子でもないから。きっとまた笑顔で試合に出てくれますって＾＾ (2019年12月26日 16時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 残念だったけど、それで何かが変わることなんてない。ましてや応援する気持ちは増すばかりです！たくさんツイートが流れる中、どれが本当なのか分からないのに、よく想像でそんなことが言えるなと思うことばかり。つくづくツイッターは発言する場所ではないと思います^^ (2019年12月26日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 男子SP ,MOI 参戦の為、今ごろでごめんなさい。主人公ちゃん幸せそうで良かった(///∇///)まだ感情が元通りではないので、つい涙が( ；∀；) (2019年12月26日 13時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 全日本、女子も男子も後半は応援に熱が入って疲れました。ＳＰの駿くんもよかったけど、ＦＳの鍵山くんに大興奮してしまいました！素人目にも上手い！と思いました。そしてゆづのあまりのボロボロな様子・・・。ＥＸで笑顔が見られてホッとしました。お疲れ様でした。 (2019年12月25日 0時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 羽生さんのスケートは見てて本当に緊張する＾＾；やっぱりしょーまさんがいなきゃつまんないですね！ほかのみんなはミスが多かった。駿くん、羽ばたいてほしい！後輩もっと育ってほしいな〜＾＾ (2019年12月21日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鹿
| 作成日時：2019年12月3日 16時
