【後悔】5 ★ ページ26
「こんばんは、猫山牛子さん。」
「…そんな名前じゃないし。」
ちょっと考えてから、寝起きのわりにちゃんと意味の通じる言葉を返してきた。そして目を擦りながら、今何時?と尋ねてきたので、1時と答える。
「ごめん、起こした。」
わざとだけど。
「ううん。11時50分くらいまでは起きてたの。」
ということは一時間くらい仮眠したのか。
「そっか。ちょっとだけ話できる?」
「うん。」
「じゃあベッドにお邪魔していい?」
「…いいよ。」
今少し間があったけど、だんだんと覚醒するAが、布団の端をめくってくれたので身体を滑り込ませる。
せめて近くで、大好きな人の体温を感じたいと思ったから。
「あったけぇ〜…。」
「羽生くんもあったかいよ。」
「シャワー浴びたからね。」
不意にAが俺の髪に鼻をくっつけて、くんくんと臭いをかいだ。
「シャンプーのいい香りがする…。」
それをきっかけに、徐々に位置を移動しつつ少し身体をずらすと、Aがガーゼ素材っぽい小鳥柄のパジャマを着ているのが見えた。
相変わらず鳥好きは健在だな、とを微笑ましく思っていると、不意にAの鼻が狐耳に触れて、思いがけず吐息のような声が漏れる。
「あ…。」
そこが俺の弱いところだと知ってか知らずか、Aが、ふふ。と意味深な笑いを返した。
「ねぇ、尻尾触ってもいい?」
「え?」
そしてさらにすごいリクエストをされて戸惑う。
自分でさえこの白銀の尻尾には触れることが出来ないというのに、晴明であるAが触れたらどうなってしまうのか、とても怖い部分もあり…。
「だめ?」
「……。」
どうしよう…。耳と同じで、触れられたとたんにおかしなスイッチが入って暴走したりしないだろうか。
「ちょっとだけ。ね、いいでしょ。」
「あっ。」
迷っていると、返事をするより前に、布団の中で腕だけを動かして俺の腰の後ろ部分に回される。
そして、いい子いい子するみたいな動きでするっと尻尾をなでられた。
「ひゃっ…!」
その瞬間、全身に電気が走ったみたいになって、思わず布団から飛び出る。
「どんな感じ?」
「やばい。やばいからそれ以上来るな。」
壁を背に、ベッドの隅へ逃げるように小さくなる。
まずいぞこれは…。気持ちよさが狐耳の比じゃない。
おかしな感情に、下手したら全身狐に変化してしまいそうだ。
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鹿(プロフ) - 心菜さん» きっといつか喜びの涙になりますって^^羽生さんも人間なんですよ。神や聖人君子でもないから。きっとまた笑顔で試合に出てくれますって^^ (2019年12月26日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 残念だったけど、それで何かが変わることなんてない。ましてや応援する気持ちは増すばかりです!たくさんツイートが流れる中、どれが本当なのか分からないのに、よく想像でそんなことが言えるなと思うことばかり。つくづくツイッターは発言する場所ではないと思います^^ (2019年12月26日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 男子SP ,MOI 参戦の為、今ごろでごめんなさい。主人公ちゃん幸せそうで良かった(///∇///)まだ感情が元通りではないので、つい涙が( ;∀;) (2019年12月26日 13時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 全日本、女子も男子も後半は応援に熱が入って疲れました。SPの駿くんもよかったけど、FSの鍵山くんに大興奮してしまいました!素人目にも上手い!と思いました。そしてゆづのあまりのボロボロな様子・・・。EXで笑顔が見られてホッとしました。お疲れ様でした。 (2019年12月25日 0時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 羽生さんのスケートは見てて本当に緊張する^^;やっぱりしょーまさんがいなきゃつまんないですね!ほかのみんなはミスが多かった。駿くん、羽ばたいてほしい!後輩もっと育ってほしいな〜^^ (2019年12月21日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2019年12月3日 16時