赤と黒のLiberations7

【戦い終わって】7　★ ページ48

『いつか羽生くんに会うことがあったら、すごいびっくりするだろうね。』

「あはは！本物かどうかめっちゃジロジロ見られそう。」

でもAの妹ならば、俺のガチファンということを抜きにしても、いつか会ってみたい気もする。

『まどかのおみやげ何がいいかなーって思って、一応物販コーナーのパンフレット買ったの。』

「あ、そんなのあるんだ。」

『他にもマグカップとかタオルもあって、まるでフェスみたいだったよ。』

「さすが天下の国営放送だな。」

確かどこかの会場で高画質放送もしてたんじゃなかったっけ。やはり民放とは規模が違う。

『人もたーくさん！』

「ふーん。そんな人混みでお前大丈夫だったの？」

『何が？』

「妖怪とか。一匹くらい見たでしょ。」

普段引きこもりのAが出掛けるんだ。
何か変なものを見てやしないかと冗談半分で尋ねたら、まさかの答えが返ってきて若干引く。

『あぁ！見た見た！なんか女の人にくっついてたの〜。』

「女の人？」

『パス着けてたし選手のコーチかな…。悪そうな妖怪だったからお祓いしな方がいいんじゃないかなー。』

Aが画面の向こうで突然力説し出した。

『それに最近テレビで見た人のような気がするんだよね…。』

いつだったかなぁ。とAが斜め上を見ながら考えている。

まじか。最近テレビに出てた女性コーチってまさか…。

「う、うん。俺から気を付けるように言っとくわ。」

思い当たる人は一人しかいない。
なんだか色々納得してしまった。




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