【戦い終わって】2 ☆ ページ43
「あーあ、もう起きよう。」
いつまでもうじうじ考えててもしょうがない。
いくら羽生くんが日本にいても、試合中は会えないって言われてるんだし。
お見合いは午後だから、それまで一人札幌観光でもして気分を変えようかなと、掛け布団をがばっとめくって身体を起こす。
すると…。
ピピピ。
「えっ。」
不意に手の中の携帯からいつもの着信音が鳴った。
まさか…。
「羽生くん?!」
しっかり両手で包むように持って相手を確認すると、画面にははっきりと田中よしおの文字が。
気持ちが通じたのかも…。私は慌てて画面をスライドさせた。
「もしもし!」
『あ、俺。』
画面に映るのは、もちろん私の大好きな羽生くん。
もう起きて暫く経ったのか、いつものようにジャージ姿で、その表情はとても穏やかだ。
「……。」
まさか本当に連絡してきてくれるなんて…。
どうしよう、さっきまでの落ち込みっぷりはどこへやら。嬉しすぎて言葉がでない。
『おはよ。何?お前まだ寝起きなの。』
「あ。」
『寝癖。』
指で自分の頭をちょんと指しつつそう言われて、片方の手で慌てて髪を整える。
まだ朝の準備など何もしてなかったから、結局羽生くんに残念な姿を見せてしまった。とほほ。
「ゆ、夕べ寝るのが遅かったの。」
『知ってるよ。つか俺もちょう眠いし〜。』
私が言い訳をしたら、おどけた羽生くんが首をかくんとして耳とお髭が揺れた。
かわいい…。
「昨日はお疲れさま。とってもとっても感動したよ。」
そんな中。今日は羽生くんにとって絶対的であるスケートの話題から始める。
喧嘩をして塞ぎ込むはめになったこの1ヶ月。相手が今何を話したいか、ちゃんと読み取ることが大事だと私は学習したのだ。
『うん。Aのために頑張ったから俺。』
「え?」
私のため?
『Aに届け!って念を込めて滑ったから勝てたのかも。』
あはは。と笑っている様子からして、これはきっと冗談だろう。
138人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鹿(プロフ) - ミズイハナコさん» よろしくお願いします! (2019年11月25日 15時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - るりさん» N杯フリーめっちゃ緊張しました!屈んだまま動いてるし!^^今回のN杯は結構ターニングポイントなので、じっくりたくさん書きたいので、ファイナルの日程に被らないようにがんばります^^その後はちょっと考えて。さすがに3週間更新ないとかねえ…だめですよね? (2019年11月25日 15時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» インフルのくだり、訂正しました^^私もHDDの容量がやばくて、3年前のN杯とか整理しました。今回も色々録画したけど、結局ネットで見れるので、いつになることやら。EXはてっきりプリンスかと思ってましたけど、春でしたね!そっかそっか。春か〜^^ (2019年11月25日 15時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
ミズイハナコ(プロフ) - 楽しみにしてます! (2019年11月25日 15時) (レス) id: 999282a715 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 続き気になります!!2人は会えるのかなぁ、、、(><)やっぱり羽生君は唯一無二で特別すぎる存在ですねー。ファイナルはどうなるか、心臓痛いですね笑 (2019年11月25日 7時) (レス) id: 6fac0f416c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鹿 | 作成日時:2019年10月31日 16時