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【力の限り】6 ★ ページ33

「ヒーローか…。」

「単純なことでもいいんだよ。好きな子にかっこいいとこ見せたいとかでも。」

「えー、僕そんな人…。」

「例えばの話。」

人差し指で唇に触れながら首をかたむける。
男はみんな単純だ。誰かの嬉しい言葉や行動で、一喜一憂するものだ。

「え、じゃあ羽生さんは好きな人いるんですか?」

「へ?」

「わ、ばか高志郎!オリンピック金メダリストに何聞いてんだよ!」

「だって…!あの…すみません。」

禁句だとでも思ったのか、草太が高志郎の頭を慌てて押さえつけた。
さすがに俺もこんな年下の後輩にそこまでむきになったりしねーわ。

でもちょっと変なスイッチが入ったので、意味深な言葉でからかってやる。

「んー…まぁいなくはない、かな。」

「ひゃー!まじっすか!」

俺が小首を傾げて白々しく伝えると、高志郎が両手を上げて面白い反応を見せてくれた。
ふふ、計算通り。

「好きな人もいないなんて、俺めっちゃ寂しいヤツじゃん。」

「え、え、どんな人なんですか?!」

さらに食いつく高志郎に、草太も気になるのか黙って見守るのだけど、誰がここで本当のことなど言うものか。

「まぁ俺はプルシェンコ一筋だけど。」

「そっち系ですか!」

さもがっかりしたように言われて、内心ほくそ笑む。

「だから対象は2次元やアイドルでもいいんだよ。しかもめちゃくちゃ頑張ったら、俺みたいに憧れのスケーターを自分のショーに呼べる。」

そうなのだ。出る杭は打たれるけど、出すぎた杭は引っこ抜かれる。
自分を信じて。未来を見据えて。夢を持つことが大きな一歩に繋がる。

「え、じゃあもし僕がショーを開催するとして、羽生さん出てくれますか?」

そんな中、高志郎が目をキラキラさせて食いついてきた。

「もちろん出るよ。」

「やった!約束ですよ。」

「はいはい。頑張って滑るから。」

俺がそう答えると、喜んでいるのか、高志郎が隣の草太とハイタッチをした。

そんなやりとりを眺めつつ、昔の自分を重ねる。

夢は大きく持て、少年。
たくさん困難な壁が立ちはだかるだろうけど、みんなそうやって強くなるんだ。

そのための道を、俺が先駆者として切り開いてやるから。






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鹿(プロフ) - ミズイハナコさん» よろしくお願いします! (2019年11月25日 15時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - るりさん» N杯フリーめっちゃ緊張しました!屈んだまま動いてるし!^^今回のN杯は結構ターニングポイントなので、じっくりたくさん書きたいので、ファイナルの日程に被らないようにがんばります^^その後はちょっと考えて。さすがに3週間更新ないとかねえ…だめですよね? (2019年11月25日 15時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» インフルのくだり、訂正しました^^私もHDDの容量がやばくて、3年前のN杯とか整理しました。今回も色々録画したけど、結局ネットで見れるので、いつになることやら。EXはてっきりプリンスかと思ってましたけど、春でしたね!そっかそっか。春か〜^^ (2019年11月25日 15時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
ミズイハナコ(プロフ) - 楽しみにしてます! (2019年11月25日 15時) (レス) id: 999282a715 (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - 続き気になります!!2人は会えるのかなぁ、、、(><)やっぱり羽生君は唯一無二で特別すぎる存在ですねー。ファイナルはどうなるか、心臓痛いですね笑 (2019年11月25日 7時) (レス) id: 6fac0f416c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鹿 | 作成日時:2019年10月31日 16時

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