赤と黒のLiberations5

【誕生日プレゼント】5　☆ ページ23

「ブルーレイもあるんだよ。ねぇお姉ちゃん、どっちがいいと思う？」

「そりゃ画質のいいブルーレイでしょ。」

「そうだよね！あっ、そういえば私、来月誕生日だったぁ。」

突然まどかがわざとらしく手を広げて、ちょうだいのポーズをする。

なるほど…それが狙いか。
わざわざ見せに来るくらいだから何か企んでるとは思ってたけど、誕生日が近いのはタイミングが良いんだか悪いんだか。

答えあぐねていると、豪華フォトブック付き！と押しの一声が出た。

「調子いいなー。」

携帯を本人に返して、ひとまずベッドサイドに座る。

試合映像だけならそんなに高くないだろうし、珠玉の演技集など、ファンからしたら喉から手が出るほど欲しいやつだ。
ここはかわいい妹のために前向きに検討してあげよう。

「で？いくらなの。」

「えへへ。」

私が値段という一番大事な部分に触れると、まどかがにこにこしながら人差し指を１本差し出してきた。

「えっ、１万円なの？！」

予想外の数字に大きな声を出してしまった。
今時千円なんてありえないから、これはゼロが４つの方だろう。
嘘…ちょう高いんだけど。

「放送局を越えた奇跡の映像集だよ？それくらいして当然。」

「うぅ…。」

まどかのドヤ顔が目に眩しい。
でも１万円か…。買えなくもないけど、かなりの出費には違いない。

「悩んでても欲しいものは欲しいんだから。もうぽちっとしようよ、ぽちっと！」

それは予約しておけということか。
気持ちさえあれば、ボタンを押すだけで欲しい物が買えてしまう今の世の中って、現代の青少年の育成に悪影響を与えているのでは…。

「人のお金だと思って好き放題言って〜…。」

「大人なんだからそれくらいいいでしょ。あ、ちなみにさぁ、来年のカレンダーも欲しいんだけど…。」

「それくらい自分のおこづかいで買いなよ！」

「えー？ぽちるついでじゃーん。」

壁に飾るのと卓上のやつ両方。と更に厚かましいお願いをされる。

「いい加減にしてよ〜…！」

「いっつも羽生くん情報教えてあげてるでしょ。こないだだってクラブの皆と写ってる最新の羽生くん見せてあげたじゃん。」

まどかが引き合いに出してくるのは、羽生くんが前に言ってた、メドベデワさんたちと撮った集合写真のことだ。

【誕生日プレゼント】6　☆→←【誕生日プレゼント】4　☆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す