【真夏の夜の夢】7 ★ ページ34
★羽生サイド
ショーもついに千秋楽を終え、すべて滞りなく終了した。
感無量の気持ちでいっぱいの中、この長くて短かった夢のような時間が、今年もお客さんに喜んでもらえてたら、こんなに嬉しいことはない。
さぁ、スケートはここで一区切りしたけど、これから自分にとって、とても大事な使命が待っている。
仙台へ帰って、花山さんの所へ行かなくちゃいけないのだ。
「あいつ、ちゃんと答え出したかな。」
この二日間、真剣に考えて欲しかったからあえて連絡は取ってない。
本気にしてない部分はあるかもしれないけど、とにかくまずは花山さんからオッケーの返事をもらわないことには、先に進まないのだ。
「ま、絶対オッケーさせるけど。」
荷物をカバンに突っ込みながら、その後のことを色々画策する。
まず付き合うとなれば、遠距離は絶対だ。
仙台とトロントじゃ、年に数回会えればいい方だけど、果たして花山さんがそれで納得してくれるかどうか…。
「つかしてもらわなきゃ困る。」
あと１ヶ月もすればまたトロントへ行かなきゃならないから。
今、スケートはオフシーズン。
幾つか大きな仕事はあるにせよ、一番日本にいられる時期だから、一緒に過ごせる時間は作れそうだ。
明日は元々、ホテルでのことを話し合うつもりだったけど、自分の気持ちに気付いてしまった今、もはやあの日のことさえも前向きに捉えてしまっている自分がいる。
もし、俺と花山さんが男女の関係になってたら。
少し先の未来さえも、視野にいれるつもりで考えたい。
「覚えてねぇのが悔やまれる。」
持ってるタオルをくしゃっと丸める。
普段、スケートやゲーム以外で悔しがることなんてほとんどないのに、花山さんに関しては独占欲の固まりみたくなる。
これって新しい自分なのかな。
スケート以外でときめきを感じてるっぽいし。
とにかく会って、それからもう一度ちゃんと話し合おう。
これから二人で乗り越えなきゃならないことが、きっと山ほどあるだろうし。
「まずは…大人たちをどう説得するかだな。」
サポートメンバー、スポンサー、家族、もちろんファンの皆さんも。挙げたらきりがないくらい、たくさんの人たちに自分は支えてもらっているから。
そんな人たちを裏切らないような健全な交際をスタートさせたい。
「家族より会いたい人になるなんて…。」
むしろ花山さんは、家族といるのと同じような感覚なのかもしれないなと思った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 152人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鹿(プロフ) - みなみさん» ある日突然ニュースで知るんでしょうか。それともプルさんがぽろっと漏らすのでしょうか＾＾羽生さん情報こないと進まないこのお話！まあのんびり書きます＾＾ (2019年8月7日 17時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 練習公開はないけど、プログラム発表はいつ、どうやってするんでしょうかね。オータム直前とかなのかなぁ。まずは24時間テレビを見ないことには、お話が進められないですよね。まだだいぶ先ですけど。 (2019年8月7日 15時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - kokonaさん» そういう言葉に対する感想、めっちゃ嬉しいです！言葉選びって、羽生さん独特の言い回しがたくさんあるので、すごく研究しています！ (2019年8月4日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
kokona(プロフ) - 羽生くんかっこいいのにキスをちゅうって言うのめっちゃ可愛いです……。 (2019年8月3日 17時) (レス) id: 5e645dd747 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» そうなんです！羽生さんの情報が入ってこないと、話が進まないという(笑)妹の小学生設定は、平日会えないので、まだまだ会うのは先かな？！ (2019年8月3日 8時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鹿
| 作成日時：2019年7月6日 23時
