【孤独を知る人】4 ★ ページ23
★羽生サイド
最終公演である富山でのショーも、ついに初日の幕が開け、スケーターたちの気合いがびしびしと伝わってくる。
そんな中、オープニングを終え、少し休もうと携帯で時間を確認したらメッセージが入っていたので、特に何も考えずにそのまま画面をタッチする。
『昼間はバタバタしててごめんね(;＞_＜;)都合のいい時に電話ください！』
花山さんからか。
昼の電話は、もともと用事があってかけたわけではないので、改まって言われると返事に困る。
それにタイミングが最悪だったこともあり、自己嫌悪に陥ってしまう。
あれ…やっぱコウくんが花山さんに告白した場面だよな。
あのドタバタの中、彼女はその告白に対して何て返事をしたのだろう。
唇に指をあてて、なんとなくその答えを想像する。
「…でもあいつと花山さんて全然似合ってないよな。」
いきなり結論から分析するけど、まずどちらもぼんやりしていて締まりがない。
花山さんの結婚相手としては、妖怪が視えることをちゃんとフォローしてあげられる人じゃなきゃダメし、もっと包容力のある男性の方がお似合いなんじゃないだろうか？
考えてみれば、彼女も結構謎な部分が多い子だ。
巫女として日々過ごす中で、きっと普通の人とは違う感性を持って生きているだろう。
安倍晴明だもんな…。
今後も九尾だけでなく、色んな妖怪に取り憑かれた人が、俺みたいに助けを求めて花山さんに近づいてくるかもしれない。
もしもそうなれば、彼女の性格上、全部一人で抱え込もうとするんじゃないかな。
妖怪と直接関係ないホテルでのことだって、一週間も悩んでたくらいだし。
そんな繊細な部分を全部ひっくるめても、コウくんにその役目ができるとは思えない。
ここは花山さんに、彼だけはやめた方がいいって言わなきゃだめか…。
「つか俺関係ねぇ。」
ぱっと手を下ろして天を仰ぐ。
そもそも二人の問題に首を突っ込むなんて失礼だし、ただの興味本意の延長で、口出しなどもっての他。
それにコウくんとは二度しか会ってないから、彼のことをどれだけ理解しているつもりなのかと言われても、答えに困るし…。
でもなぁ〜、なんかほっとけないんだよな…。
いやなんつーか、晴明である彼女の俺に対する態度が若干生意気というか何と言うか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 152人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鹿(プロフ) - みなみさん» ある日突然ニュースで知るんでしょうか。それともプルさんがぽろっと漏らすのでしょうか＾＾羽生さん情報こないと進まないこのお話！まあのんびり書きます＾＾ (2019年8月7日 17時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 練習公開はないけど、プログラム発表はいつ、どうやってするんでしょうかね。オータム直前とかなのかなぁ。まずは24時間テレビを見ないことには、お話が進められないですよね。まだだいぶ先ですけど。 (2019年8月7日 15時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - kokonaさん» そういう言葉に対する感想、めっちゃ嬉しいです！言葉選びって、羽生さん独特の言い回しがたくさんあるので、すごく研究しています！ (2019年8月4日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
kokona(プロフ) - 羽生くんかっこいいのにキスをちゅうって言うのめっちゃ可愛いです……。 (2019年8月3日 17時) (レス) id: 5e645dd747 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» そうなんです！羽生さんの情報が入ってこないと、話が進まないという(笑)妹の小学生設定は、平日会えないので、まだまだ会うのは先かな？！ (2019年8月3日 8時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鹿
| 作成日時：2019年7月6日 23時
