【携帯の向こう側】4 ☆ ページ11
『自分を責めんな。次会う時に暗い顔してたら、二度とお前の運転する車に乗ってやんねぇぞ。』
「そ…それは関係なくない？！」
『だったら悩んでる暇がないくらい練習してろ。ナビも使いこなせ。』
「……。」
なんだろう…。
こうして羽生くんと話していると、肩の力がすーっと抜けていくようだ。
まるで、私のことを全部分かってくれているような…。
『わかった？返事は？』
「は…い。」
その先生のような振る舞いに、思わず返事をしてしまった。
『うん。あ、お土産期待しててな。リクエストにお答えして和菓子だから。』
そして、ずいぶん前に何気なく言ったことを引き合いに出してくる。
「よく覚えてるね…。」
『俺の記憶力みくびんな。』
だんだんビックマウスになってくる彼と同様、私もなんだかいつもの調子が戻ってきたみたいだ。
「お酒が入るとからっきしなのにね。」
『今そのネタ振るんだ。なかなか度胸あんじゃん。』
しまった。地雷を踏んでしまった！
「た、たまたまだよ！」
『いいし。ま、花山さんの記憶力はお酒が入ってなくても同じだけどな。』
「ひどい！」
『あはは！仕返し。じゃまた連絡すっから。』
風邪引くなよ。と季節感のない挨拶を最後に通話が切れる。
「冬じゃないのに…。」
通話時間の表示された携帯の画面を見つめながら、苦笑いのため息をつく。
でも羽生くんって思ったより男らしいな。
こないだのこと、ちゃんと考えて向き合ってくれてる。
安心した…。
少し話しただけで、さっきまであんなに落ち込んでいた心に、明るい光が射したようだ。
羽生くんの言う通りにすれば大丈夫。そんな気さえしてくる。
「頼もしい…。」
やっぱり世界をまたにかける人は違う。
でなきゃ九尾だって取り憑かないだろうし、八百万の神さまにだって守られない…。
わがままで口が悪いだけじゃないんだ。
きっと頭の中では、常に私などが想像も出来ないことを考えているに違いない。
「羽生結弦か…。」
今になってその存在の大きさを思い知らされる。
私の中の錆びた刀を叩き直してくれるように、心にすーっと入ってくる。
彼は本当にすごい人だ。
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鹿(プロフ) - みなみさん» ある日突然ニュースで知るんでしょうか。それともプルさんがぽろっと漏らすのでしょうか＾＾羽生さん情報こないと進まないこのお話！まあのんびり書きます＾＾ (2019年8月7日 17時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 練習公開はないけど、プログラム発表はいつ、どうやってするんでしょうかね。オータム直前とかなのかなぁ。まずは24時間テレビを見ないことには、お話が進められないですよね。まだだいぶ先ですけど。 (2019年8月7日 15時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - kokonaさん» そういう言葉に対する感想、めっちゃ嬉しいです！言葉選びって、羽生さん独特の言い回しがたくさんあるので、すごく研究しています！ (2019年8月4日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
kokona(プロフ) - 羽生くんかっこいいのにキスをちゅうって言うのめっちゃ可愛いです……。 (2019年8月3日 17時) (レス) id: 5e645dd747 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» そうなんです！羽生さんの情報が入ってこないと、話が進まないという(笑)妹の小学生設定は、平日会えないので、まだまだ会うのは先かな？！ (2019年8月3日 8時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2019年7月6日 23時
