【3パーセント】2 ★ ページ43
「花山さんはもうちょい身体鍛えた方がいいなー。」
「なっ…!」
「常に自分に厳しくしてないと、外見からだらけた人間になる。」
俺は自分に甘い人間が一番嫌いなんだ。
自分に厳しく他人に優しく。それをモットーに日々生きてる。
「だらけてないし。羽生くんこそ、そんなにズバズバ言ってると友達なくすよ。」
「はぁ?俺は普通に友達いるし。いないのはそっちだろ。」
「わ…私だっているよ。」
「ふーん、引きこもりのくせに?」
「ど、どどどうしてそれを…?!」
花山さんが急に焦りだした。
…図星だな。
「とにかく。チケットは花山さんにしかあげてないから。」
「え…。」
でも、友達の数に関してはあまり張り合える方じゃないから、もう話題を変える。
「びっくりさせたかったの。別にこんな言い合いするために嘘ついた訳じゃねぇよ。」
そして、なんだかやるせなくなった俺は、携帯をぽいっとベッドに投げ置いた。
かっこわる。自分からこんなネタばらししたくなかったのに。
「そ、そうだったんだ…。知らなかったとはいえ…ごめんなさい。」
「いいし。」
結局、彼女に謝らせるはめになってしまった。
あーあ、どうせ自分が言葉足らずなのは分かってる。
気持ちが高ぶると、つい後先考えずに発した言葉が相手に刺さりすぎるのは、俺の良くない癖だ。
「で、でもさ!このホテルすっごく静かだよね。ショーの後なのに、他のスケート選手一人も見なかったよ。」
雰囲気を変えようとしてくれたのか、急に花山さんの声のトーンが上がった。
「あぁ、それは俺だけ別のホテルだから。」
「へ?」
結局今回も実家に帰れなくて、急遽ホテルを用意してもらった。
まぁそのおかげで九尾を退治することが出来たのだが、決して嬉しい情報ではないから、また場の空気が悪くなる。
「羽生くん…かわいそうだね。」
「え?」
「せっかく日本にいるのに、ご家族と会えないなんて。」
そんな中、花山さんが悲しそうに言うのだけど、自分としてはそれが当たり前になってる部分もあるので、さほど気にしてなかったのだが…。
「いつものことだよ。それにショーが終わったら一度帰るつもりだし。」
うんっと背伸びをして花山さんに告げる。
そしたらほっとしたように笑ってくれて、心が少し軽くなった。
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鹿(プロフ) - みなみさん» 触れるとか設定は、適当なんですけどね^^まあ差別化ということで。次移行なんですけど、このままでは現実の羽生さんに追いつくので、どうしようかなーと模索中です。 (2019年7月5日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - おっと、何やらゆづがいつもと違って、ますます展開が楽しみです!狐耳、触りたい〜!!本人には見えているだけで触れないなんて、不思議ですね。 (2019年7月4日 13時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 狐耳にはあまり深い意味はなかろうと思います。ただ、二人を繋ぐものが何もなくなってしまうと、お話を進めにくいので、伏線のようなものでしょうか。でも、耳ついてるのを妄想しながら色々見返すという妄想観賞ができます。←! (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - るりさん» ついつい連続で更新してしまいました。出し惜しみは絶対王者がお気に召さないので(笑)でもみなさん注目ポイントが違ってて面白いですね(*^^*)ちなみに狐さんはもう出てきません。あっさり消えました。 (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ゆなさん» 常に気になる所で終わっちゃうという(笑)後2話手前だともっと気になるかなーと思って、これでも足しておきました。たくさん更新するのは、自分が読者側だったら嬉しいからです(*^^*) (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2019年6月21日 16時