【九尾退治】2 ☆ ページ35
☆主人公サイド
つ、ついにこの時が来てしまった…。
少し湿気のこもったバスルームで、まず心を落ち着かせる。
そして九尾を退治する方法を、失敗が許されない中、頭の中でシミュレーションしてみる。
えと、羽生くんの頭の方に九尾がくるように追い詰めなきゃいけないから、もしも下半身の方へ行ってしまったら、お互いの足を絡めるんだよね…。
「…無理だし。」
壁に手をついてうなだれる。
想像するのと実行するのでは、あまりにギャップがありすぎる行為だ。
これじゃあまるで私が変なことをねだってるみたいじゃない…。こんなことしたらお嫁に行けないよ…。
「あ…私がお婿さんもらわなきゃだめだから、お嫁には行かないんだっけ？」
ていうか今そんな話はどうでもいい。
そもそも結婚前の娘が、友人である男性とほぼ裸で抱き合うというのが問題なのだ。
そんな経験普通なら絶対にしない。
「しかも相手があの羽生結弦だなんて…。」
その名前を思い浮かべるだけで、なぜか拒否権がないような気分になるから不思議だ。
でもうじうじ考えても仕方がない。
私は鏡を背にして背中のファスナーを下ろしながら、今日はワンピースで良かったのか悪かったのか、またそんなどうでもいいことを考える。
そしてワンピースを足から抜くようにして脱ぎ、たたんで備え付けのかごへ入れた。
今日はお出かけだから、万が一見られても大丈夫な下着なのだけは助かったけど…。
「あ〜あ、なんでこんなことに…。せめて八百万の神さまが、私たちを守ってくださらないかな…。」
でも今の自分の格好じゃとても無理だろうなと思った。
目隠ししてるって言ってたけど本当かな…とバスルームの扉をそっと開けて部屋の様子を伺う。
すると、ベッドがこんもりと山になっていて、そこに羽生くんの姿を確認できた。
うぅ…これはまさしく、“彼女のシャワーを待つ彼氏”のシチュエーションだ。
しかもホテルの一室というのが、無性に想像力を掻き立てる。
いきなり襲ってくるとかないよね…。
いや、人格者で真面目で礼儀正しい彼がそんなことするはずない。
はっ！でも、もしも九尾に操られたりとかしたら？！
彼の意思とは関係なく、突然豹変したらどうしよう…！
急に怖くなって、再びバスルームの扉を閉めて立てこもる。
「だめだ〜…決断力がないにもほどがある…。」
情けないけど、私がバスルームに来てから、さらに３０分が経とうとしていた。
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鹿(プロフ) - みなみさん» 触れるとか設定は、適当なんですけどね＾＾まあ差別化ということで。次移行なんですけど、このままでは現実の羽生さんに追いつくので、どうしようかなーと模索中です。 (2019年7月5日 16時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - おっと、何やらゆづがいつもと違って、ますます展開が楽しみです！狐耳、触りたい〜！！本人には見えているだけで触れないなんて、不思議ですね。 (2019年7月4日 13時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 狐耳にはあまり深い意味はなかろうと思います。ただ、二人を繋ぐものが何もなくなってしまうと、お話を進めにくいので、伏線のようなものでしょうか。でも、耳ついてるのを妄想しながら色々見返すという妄想観賞ができます。←！ (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - るりさん» ついつい連続で更新してしまいました。出し惜しみは絶対王者がお気に召さないので(笑)でもみなさん注目ポイントが違ってて面白いですね(*^^*)ちなみに狐さんはもう出てきません。あっさり消えました。 (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ゆなさん» 常に気になる所で終わっちゃうという(笑)後２話手前だともっと気になるかなーと思って、これでも足しておきました。たくさん更新するのは、自分が読者側だったら嬉しいからです(*^^*) (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2019年6月21日 16時
