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【ホテル】8 ☆ ページ32

2時間くらい経っただろうか。
不意に羽生くんが目を覚ました。

「…あれ、俺寝てた?」

目をこすって、うんっと背伸びをする。
そんな彼に私は、この2時間ずっと考えていたことを告げる。

「羽生くん、お願いがあるの。」

少しかすれた声になってしまい、咳払いする。

「……。」

「私は安倍晴明である前に、一人の女の子なの。だから、今日これからすることは、明日になったら綺麗に忘れて欲しいの。」

これは私の希望でもあり、お互いのためでもある。
もしもこの先、どこかですれ違うことがあっても、友達の一線を越えたことを思い出さないように。

「花山さん…。」

「その代わり目隠しは絶対だからね!」

そう告げると、羽生くんが驚いた表情になって、次にくしゃっと笑った。

「ありがと…。」

お礼を言われるのもおかしな話だけど、こうなったらもう後戻りは出来ない。

「アイマスクの上からさらにタオルで厳重に目隠し!」

「わかった。約束する。絶対に花山さんの姿は見ないから。」

さっきまでの不機嫌な様子とは売って変わって、うきうきと何かを始めようとする羽生くん。
その様子を黙って見ていると…。

「花山さん。失敗しないための作戦をたてよう。」

「作戦?」

羽生くんらしいなと思いつつ、その最もな意見に同意する。
彼の中では、退治することはただ抱きつくだけじゃないのだろう。

「九尾の逃げ場を完全に塞ぐの。例えば…。」

そう言って、私を向かいに立たせてそっと抱きついてきた。
それだけで一気に緊張したのは内緒だ。

「こうやって抱き合うと、必ず頭か下半身に隙間ができるから、絶対どっちかに逃げるじゃん?」

「うん…そうだね。」

確かに、私が羽生くんの背中に腕を回したら、お腹はくっつくけど、九尾は無防備な上下のどちらかに移動するだろう。

「そうさせないために、できるだけお互いの足を絡めて…。」

「わ、わ!それはちょっと…。」

まるでお父さんとクッションが戯れていたのとそっくりに見えて赤面する。
嫌なことを思い出していると、羽生くんに思い切り冷たく突っ込まれる。

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鹿(プロフ) - みなみさん» 触れるとか設定は、適当なんですけどね^^まあ差別化ということで。次移行なんですけど、このままでは現実の羽生さんに追いつくので、どうしようかなーと模索中です。 (2019年7月5日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - おっと、何やらゆづがいつもと違って、ますます展開が楽しみです!狐耳、触りたい〜!!本人には見えているだけで触れないなんて、不思議ですね。 (2019年7月4日 13時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 狐耳にはあまり深い意味はなかろうと思います。ただ、二人を繋ぐものが何もなくなってしまうと、お話を進めにくいので、伏線のようなものでしょうか。でも、耳ついてるのを妄想しながら色々見返すという妄想観賞ができます。←! (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - るりさん» ついつい連続で更新してしまいました。出し惜しみは絶対王者がお気に召さないので(笑)でもみなさん注目ポイントが違ってて面白いですね(*^^*)ちなみに狐さんはもう出てきません。あっさり消えました。 (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ゆなさん» 常に気になる所で終わっちゃうという(笑)後2話手前だともっと気になるかなーと思って、これでも足しておきました。たくさん更新するのは、自分が読者側だったら嬉しいからです(*^^*) (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鹿 | 作成日時:2019年6月21日 16時

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