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【激闘】1 ☆ ページ23

☆主人公サイド

びっくりしたぁー!
まさかあの羽生くんが本当に訪ねてくるなんて。

全身黒い服に帽子とマスクだったから、てっきり怪しい不審者かと思っちゃった。

でも、これでやっとお祓いが出来る。
残念なことに、主力である神主のお父さんはいないけど、御神体の力を借りれば私の力だけでもなんとか九尾を封じ込めるはず!

お祓いに使う道具とお清めの塩を準備して拝殿へと戻ったら、羽生くんが御神体の前で正座をして待っていてくれた。

「あの、始めます。」

拝殿の戸を全て閉めた後、五芒星を型どった床の中心に塩を置き、御神体を背にして一礼をしてから大麻(おおぬさ)を振る。

羽生くんが静かに頭を垂れる中、時間をかけてゆっくり祓詞(はらえことば)を奏上しながら彼の身体を清めてゆくと、徐々に背中から白い煙のようにゆらゆらした物が出てきた。

九尾だ…。
お尻に生えた立派な九つの尻尾が、ふわっと宙に舞う。

「九尾…お前の魂を解き放つ時がきた。」

さらに力をこめて大麻を振ると、ぬるっと音が聞こえてきそうな動きで、九尾の上半身が出てくる。

「……。」

うつむいたままの羽生選手の額に、汗が滲んでいる。
苦痛に歪む顔を見るのは心苦しいが、ここは耐えてもらうしかない。

「元の世界に還りなさい…。」

鳴り物の鈴をしゃんと鳴らすと、九尾の耳がぴくりと立った。
もう少しだ。お願いだから大人しくそこから出なさいよ…。

ぐっと押すように力を加えて。
すると、狐が鋭く鳴き声を上げて、あろうことか言葉をしゃべった!

“そ…それ以上近づくな…”

「え!!」

お祓いの途中にも関わらず、集中が途切れてしまった。
でも、この九尾の焦った様子。力関係は私の方が押してるみたいだ。

よーし、相手は妖怪。近づくなと言われて、はいそうですか。など納得できるはずもない。

私は今こそ追い詰める時だと思い、お言葉に甘えて数歩前へ進んだ。

【激闘】2 ☆→←【嘘じゃない】9 ★



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鹿(プロフ) - 雪菜さん» ありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです。怖い話は苦手です^^;今回は心霊とは違うのですが、和風っぽくしたいなと思ってます!^^ (2019年6月17日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - おはようございます、新しい話も面白いです!私は昔から心霊とかそういった話が好きです。本当にあった怖い話という ものがあります。そのなかでも山本まゆりさんの恐怖進行刑(ショックリポート)です面白いので読んで見てください (2019年6月16日 9時) (レス) id: 67e9c24f43 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» 毒ガスが噴き出ているところでしょうか^^調べているときに見たような。あまり九尾ネタが広がらなかったらごめんなさい!今回は短めのお話にしようかなーと、更新早めを目指してます! (2019年6月15日 18時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 新作!ありがとうございます。栃木県の那須塩原市に殺傷石と言う所があって、九尾の狐伝説があります。宜しければご参考まで。また楽しみに読ませて頂きます。 (2019年6月14日 21時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 私も調べてみたら、晴明と繋がっていることがわかって、これなら書けるかなーと^^神事とかはもう適当でねつ造ばかりなので、突っ込まないでくださいね〜! (2019年6月14日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鹿 | 作成日時:2019年6月10日 16時

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