【嘘じゃない】7 ★ ページ20
★羽生サイド
「ちょ、ちょっと待ってください！」
「何？早くして欲しいんだけど。」
神社の奥にある建物の入り口で、手紙の送り主である女の子、花山Aと対面する。
でもあの手紙を送ってきた本人が、まさかこんなに若いとは思わなかった。
文面からして、絶対に年上だと思っていたから。
「とりあえず…どこに上がってもらおうかな…！えーっと、えーっとまずお茶を…！」
「なんかテンパってるみたいだけど、時間ないからお茶とかはいいよ。」
エキシビションを終え、トロントへ帰るまでのわずかな時間を利用して、この神社へと足を運んだのだ。
まあ実家に寄るついでと言えばそうだけど、ゆっくりお茶しに来たわけじゃない。
「そ、そうですか。では拝殿へどうぞ…。」
「おじゃまします。」
敷居をまたいで靴を脱ぎ揃える。
そして数段の階段を上ったら、拝殿と呼ばれる広い板間の部屋に通された。
あ…何ここ、すっげぇ落ち着く。
部屋に入った瞬間から感じる安堵感に、思わず目を閉じて深呼吸する。
トロントではなかなかお目にかかれない線香や焼香の匂いが、俺の五感を程よく刺激してくれるのだ。
そんな神社独特の雰囲気に浸っていると、巫女…いや、花山さんが素早く座布団を敷いてくれた。
「おほん。せっかくなので、御神体の御前でお話しましょう。」
そうして、改まって正座で向かい合う俺たち。
物珍しさからぐるっと部屋を見渡すと、ここがかなり本格的な神社だと分かる。
「先に聞くけど、いたずらじゃないよね、あの手紙。」
「滅相もないです！私はただ羽生く…さんが心配で…。」
一応確認だけしておこうと尋ねると、大げさに手と顔を横に振って、思い切り否定のジェスチャーをされた。
そうか、そこまで言うならまぁいい。
ひとまず俺は、鞄から一通の手紙を取り出して床に置く。
「まずさ、何でこんな手紙寄越したの。」
「あ、私の手紙！」
届いてたんだ…。となぜか感心しているようだけど、送ったら着くのはあたり前だ。
「白い光がどうのってやつ？良くわかんねーけど。」
内容を少し引用すると、そうなんです！と手をぽんと合わせて、いきなり本題に入られる。
「単刀直入に言いますと、羽生さんに妖怪が取り憑いてます。」
「…はぁ？」
今妖怪つったか。
その非現実的なセリフに、おかしな声が出る。
…それって完全に漫画の中の話じゃねぇか。
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鹿(プロフ) - 雪菜さん» ありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです。怖い話は苦手です＾＾；今回は心霊とは違うのですが、和風っぽくしたいなと思ってます！＾＾ (2019年6月17日 16時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - おはようございます、新しい話も面白いです！私は昔から心霊とかそういった話が好きです。本当にあった怖い話という ものがあります。そのなかでも山本まゆりさんの恐怖進行刑（ショックリポート）です面白いので読んで見てください (2019年6月16日 9時) (レス) id: 67e9c24f43 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» 毒ガスが噴き出ているところでしょうか＾＾調べているときに見たような。あまり九尾ネタが広がらなかったらごめんなさい！今回は短めのお話にしようかなーと、更新早めを目指してます！ (2019年6月15日 18時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 新作！ありがとうございます。栃木県の那須塩原市に殺傷石と言う所があって、九尾の狐伝説があります。宜しければご参考まで。また楽しみに読ませて頂きます。 (2019年6月14日 21時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 私も調べてみたら、晴明と繋がっていることがわかって、これなら書けるかなーと＾＾神事とかはもう適当でねつ造ばかりなので、突っ込まないでくださいね〜！ (2019年6月14日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2019年6月10日 16時
