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【これから】9 ★ ページ30

★ゆづサイド

夕刻、Aを休ませてあげるために、早めに部屋を出た俺は、このまま自室に戻るのもなと、一旦執務室に寄ることにした。

廊下ですれ違う人々から祝いの言葉をもらいつつ、上機嫌で仕事場である執務室の扉を開けると、人影が見えた。

「あ、まっちー。」

いたんだ。てっきり自分が休みだから、まっちーも休みなのかと思っていた。

「王子、これからお仕事に励まれるとは、良い心がけですね。」

冗談か本気か分からない風に言われて、今から仕事なんてやらねーし。と心の中で呟く。

「いやいや、今朝から祝いの品が届いてるって言ってたから、どんなのかなーって思って。」

「それならば奥の部屋にまとめておりますよ。」

そーなんだ。
ちょっと覗いて見ようかなと、執務室の後ろにある扉を開ける。すると、そこには山積みの箱が…。

「けっこう、あるね…。」

その高さに思わず天を仰ぐ。

「中身のチェックがまだできておりませんので、王子にお渡しするのはその後になります。」

「ちなみにこれ全部、他国からの贈り物だよね。」

ドアノブに手をかけたまま、後ろ向きに尋ねる。

「作用です。国内からの分は多過ぎて、ただいま詰所での受け入れをストップさせております。」

「……。」

まじか。

「こちらには書簡の類いをまとめていますが…。」

読まれますか?と、まっちーが手紙の束を机に置いてくれる。

「そだな。少しずつでも読んでいかないと、処理が追いつかねーわ。」

無視するわけにもいかないから、お礼状だって出さなきゃなんねーし。

奥の部屋の扉はひとまず閉めて、出来ることから始めようと、定位置である仕事の机に座って書簡の束を紐解く。

どれどれ、まず最初はどこの国からかな…。

豪華な装飾の書簡が並ぶ中、なんとなくシンプルな装いの物を手に取る。
それは書簡というより手紙に近いもので、一国の王子宛てにしてはやけに薄く、おまけに切手も貼っていなかった。

国民がくれた物かもしれないなと、軽い気持ちで差出人を見てみると…。

「えーっと、エフゲニー…。えっ、プルシェンコ?!」

驚きのあまり、がたんと机を揺らしてしまった。

「王子?」

まっちーもその名前に反応したのか、作業を止め、机に手を付いて立ち上がる。

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鹿(プロフ) - yuccoちゃんさん» 出産シーンはあまりリアルになり過ぎず、気を付けたのですが^^;羽生さんなら立ち合いそうじゃないですか?いつか本人も、親になってほしいです^^ (2019年6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - りんりさん» ありがとうございました!何度でも読んでください^^私も読みます!とっても長いので、時間のあるときにでも。いつでもお気軽にコメント書いてくださいね!妄想を受け止めてくださり、ありがとうございました! (2019年6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
yuccoちゃん(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても楽しく読ませていただきましたー!やっぱりゆづは王子だよね!(´ー`*)次の作品も楽しみにしています。出産シーンのゆづが駆けつけて来た時の表現にキュンキュンしました!(*´ `) (2019年6月23日 22時) (レス) id: f1f31ef53f (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - 初めまして。氷の国、ずっと楽しく読ませていただいていました。完結、おめでとうございます^^私ごとながら先日、FOIにて初めて結弦王子を生で見て、もう一度この小説を最初から読みたい気持ちに駆られています。次作も楽しみに読ませていただきますね! (2019年6月23日 17時) (レス) id: 6a04cdba45 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» やっぱりその時その時に羽生さんを投影させていると、楽しいです^^あれもこれもまだ書いてないエピソードもありますが、ちょっと気分転換もいいかなと、ちょっと強引に終わりましたが^^;また何か書ければいいなと思います! (2019年6月13日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鹿 | 作成日時:2019年5月25日 9時

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