【世界一の君】8 ★ ページ8
「そうですね。一緒に寝てます。」
「そっ!…れはいつからですか?!」
「まぁ夫婦ですし、自然な流れですよね。」
今完全に変な妄想のスイッチが入ったっぽい記事さんをかわして、笑顔で答える。
「わぁ〜…、男らしい。」
羨ましい…。と呟いてまたメモを取る。
ちょっとサービスしすぎたかな。
「パジャマとか一緒に寝るとかの話はもういいんで、他にないならもう…。」
Aの元へ行きたいので、もう取材を切り上げてもらおうとしたら、その想いもむなしく矢継ぎ早に挙手される。
「ありますあります!では、Aさまから投げ込まれたぬいぐるみについてうかがいますが、あれは約束されていたのでしょうか。」
「ぶっ!」
吹いた。
よ、良く見てんな…。ぬいぐるみとは勿論演技後の黄色いくまさんのことだ。
「微笑ましいというか何というか、とても愛に溢れているなぁと思ったんです。」
「そ…うですね、約束はしてないですが、まぁ…去年の光景を見てやってみたいとは言ってましたけど…。」
「ちゃんと拾われてましたよね。」
「まぁ…はい。拾わせていただきました。」
あれは偶然目の前に落ちたから気付いたのであって、そうでなければ今頃、他のたくさんの仲間と一緒に、誰かへのクリスマスプレゼントとしてラッピングされていただろう。
「それほどまでにAさまを想っておられると。」
「そ…そうですね。」
なんかさっきからずっとこの記者さんのペースに乗せられている気がするけど…大丈夫だろうか。
「むしろそうでないと皇子も授かれませんものね。いえ、いいんです。国民はお幸せそうな王子さまを見ることで生命を維持しておりますので。」
「へ?維持…。」
「いえいえ、お気になさらずに。」
胸の前で手を振って、自己完結してる風に言われる。
なんだか良く分からないなぁと思いつつも、しばらくこのまま記者さんの取材を受けていると、不意にまっちーからお呼びがかかった。
「失礼します。次の予定がありますので、取材はこの辺で。」
よかった、時間がきたようだ。
「あ、すみません。ではこれで終了させていただきます。本日は誠におめでとうございました。」
「まだ生まれてないんで。」
記者さんの気の早い挨拶に突っ込みつつ、同時に席を立つ。
そして再びお礼を言って去って行く後ろ姿を見送った所で、まっちーが次のスケジュールを告げた。
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鹿(プロフ) - yuccoちゃんさん» 出産シーンはあまりリアルになり過ぎず、気を付けたのですが^^;羽生さんなら立ち合いそうじゃないですか?いつか本人も、親になってほしいです^^ (2019年6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - りんりさん» ありがとうございました!何度でも読んでください^^私も読みます!とっても長いので、時間のあるときにでも。いつでもお気軽にコメント書いてくださいね!妄想を受け止めてくださり、ありがとうございました! (2019年6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
yuccoちゃん(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても楽しく読ませていただきましたー!やっぱりゆづは王子だよね!(´ー`*)次の作品も楽しみにしています。出産シーンのゆづが駆けつけて来た時の表現にキュンキュンしました!(*´ `) (2019年6月23日 22時) (レス) id: f1f31ef53f (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - 初めまして。氷の国、ずっと楽しく読ませていただいていました。完結、おめでとうございます^^私ごとながら先日、FOIにて初めて結弦王子を生で見て、もう一度この小説を最初から読みたい気持ちに駆られています。次作も楽しみに読ませていただきますね! (2019年6月23日 17時) (レス) id: 6a04cdba45 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» やっぱりその時その時に羽生さんを投影させていると、楽しいです^^あれもこれもまだ書いてないエピソードもありますが、ちょっと気分転換もいいかなと、ちょっと強引に終わりましたが^^;また何か書ければいいなと思います! (2019年6月13日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2019年5月25日 9時