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【世界一の君】5 ★ ページ5

「ハートで伝えればいいのさ。」

と情熱的なアドバイスをくれた。

「ハート…。」

唇に指をあてて、もう一度考える。
そりゃハビはそういうの得意だろうけど…。

「もう表彰式終わっちゃうよ〜!」

佳菜に急かされて、いよいよタイムリミットが近づいてきた。
ここはもうありのままの気持ちを真っ直ぐに伝えるしかない!

「好きだ。」

「「「え?」」」

「いや、世界一好きだ。」

今確実に三人に驚かれたけど、回りくどいことを言うより、ストレートな言葉の方がいいと思ったのだ。

「ワオ!」

「ゆ、ゆづくん…。」

喜ぶハビと固まる昌磨が対照的だけど、ちなみに俺は至って真面目だ。

「佳菜もそんなこと言われてみたいなー。」

ちょうイケメンに。と相変わらずマイペースを貫く佳菜が場を締めた所で、大臣が言いにくそうに俺たち四人に告げる。

「あのー、メダル授与式はとっくに終わってるんですけど…。」

「へ?」

端から見たら、何をやっているんだろうと思われているかもしれないけど、客席からは細かいやり取りまで見えてないことを願いつつ、慌てて三人でウイニングランを開始した。





子供が生まれそうだという情報は、スケート大会が終わったその日のうちに、瞬く間に国中に広まった。

しかも試合後の晩餐会の中でも勿論その話が出て、急遽、新聞の取材を受けることになってしまったので、一人皆から抜けてその対応へと向かう。

もう皆お城に戻って来ているので、特別に部屋を用意して記者さんを招き入れるのだが、今回はAに関することとあって、記者は女性のようだ。

「王子さま、遅い時間に申し訳ありません。」

「大丈夫、まだ10時だし。」

例年ならまだ皆とわいわい食事してる時間だ。
早くAの元へ行ってやりたい気持ちもあるけど、やはり家庭のことは後回しになってしまうのが王族のつらい所。

「今日中にお生まれになれば、皇子さまのご誕生を明日の一面にしたいのですが。」

そんな中、記者さんが嬉しそうに言う内容に違和感を覚える。

「え、スケートの結果じゃなくて?」

年に一度の大会なのに皇子が一面?

「スケートは裏面にどーんと載せようかと。」

「あ、裏面…。」

そう無邪気に言う記者さんに何も言えなくなる。
…いや4A跳んで優勝したし!それなりに歴史的快挙なんだけどこれ!

明日の表の一面は、“羽生結弦4Aで連覇!”の予定だったのに…って見出しは今関係ない。

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鹿(プロフ) - yuccoちゃんさん» 出産シーンはあまりリアルになり過ぎず、気を付けたのですが^^;羽生さんなら立ち合いそうじゃないですか?いつか本人も、親になってほしいです^^ (2019年6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - りんりさん» ありがとうございました!何度でも読んでください^^私も読みます!とっても長いので、時間のあるときにでも。いつでもお気軽にコメント書いてくださいね!妄想を受け止めてくださり、ありがとうございました! (2019年6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
yuccoちゃん(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても楽しく読ませていただきましたー!やっぱりゆづは王子だよね!(´ー`*)次の作品も楽しみにしています。出産シーンのゆづが駆けつけて来た時の表現にキュンキュンしました!(*´ `) (2019年6月23日 22時) (レス) id: f1f31ef53f (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - 初めまして。氷の国、ずっと楽しく読ませていただいていました。完結、おめでとうございます^^私ごとながら先日、FOIにて初めて結弦王子を生で見て、もう一度この小説を最初から読みたい気持ちに駆られています。次作も楽しみに読ませていただきますね! (2019年6月23日 17時) (レス) id: 6a04cdba45 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» やっぱりその時その時に羽生さんを投影させていると、楽しいです^^あれもこれもまだ書いてないエピソードもありますが、ちょっと気分転換もいいかなと、ちょっと強引に終わりましたが^^;また何か書ければいいなと思います! (2019年6月13日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鹿 | 作成日時:2019年5月25日 9時

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