【これから】1 ★ ページ22
★ゆづサイド
夜が明けて、新しい朝が始まった。
夕べは遅くまでAの所にいたから、自室に戻ってきたのは午前2時を回っていたので、そのまま倒れ込むように眠ってしまった。
そして今、時計を見ると朝の9時。
毎年スケート大会の次の日は休みなので、今日一日俺はフリーなのだが…。
「早くAのとこ行こ。」
いつもはベッドでだらだらしてから起きるのに、今日は一刻も早く、昨日生まれたばかりの我が子に会いたくて毛布を蹴飛ばす。
昨日のうちに、出生に関する必要な書類は大臣に提出したし、Aの故郷や諸外国への伝達も済んだ。
あとは1ヶ月後に行う生誕の儀式までにチームを整えて…。
これからの予定を画策しつつ、クローゼットから黒の上下を取り出す。
それにぱぱっと着替えたら、まずは今朝の新聞の確認だ。
どれどれ、昨日のスケート大会の扱いは…と。
「あー…、やっぱり一面奪われた〜。」
さっと広げると、昨日記者さんが宣言していた通り、『王室に王位継承者である男児誕生!』とでかでかと文字が踊っていたので、若干よろける。
それも嬉しいことだからいいんだけど、せめて同じ扱いにして欲しかったわ〜。
しかもまだ翔の肖像画も出来ていないので、記事の横に俺の笑った顔が載っているだけだ。
でも生まれたのがぎりぎり昨日だったのに、よく間に合ったな。
感心しつつも、今度は裏を向けて見る。
『奇跡の4A!王者のジャンプで大会連覇!!皇子の誕生に花を添える結弦王子の舞い!』
こちらには滑ってるときのフリーの挿し絵がいくつか描いてあって、その一瞬を切り取った表情が試合の臨場感を醸し出しているのだが…。
「俺が翔のおまけみたくなってる…。つか俺ばっかじゃねーか。」
表も裏も、結局自分で埋め尽くされていて、中をぺらぺらとめくっても、ほぼ皇子とスケートのことばかりだ。
「まぁ記念に置いとくか…。」
またAにも見せてやろうと、ひとまずテーブルの隅に置いて、いよいよ出かける準備をする。
久しぶりに一人で部屋にいるというのは、猛烈にさみしさを感じるものだ。
二人は起きているだろうか。弾む心をおさえつつ、部屋を出た。
Aのいる部屋は自室から程近い場所にある。
早速部屋に入っておはようと声をかけたら、世話係として周りに付いている数人の子女がさっと場所を開けてくれた。
「おはようございます、ゆづ王子。」
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鹿(プロフ) - yuccoちゃんさん» 出産シーンはあまりリアルになり過ぎず、気を付けたのですが^^;羽生さんなら立ち合いそうじゃないですか?いつか本人も、親になってほしいです^^ (2019年6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - りんりさん» ありがとうございました!何度でも読んでください^^私も読みます!とっても長いので、時間のあるときにでも。いつでもお気軽にコメント書いてくださいね!妄想を受け止めてくださり、ありがとうございました! (2019年6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
yuccoちゃん(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても楽しく読ませていただきましたー!やっぱりゆづは王子だよね!(´ー`*)次の作品も楽しみにしています。出産シーンのゆづが駆けつけて来た時の表現にキュンキュンしました!(*´ `) (2019年6月23日 22時) (レス) id: f1f31ef53f (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - 初めまして。氷の国、ずっと楽しく読ませていただいていました。完結、おめでとうございます^^私ごとながら先日、FOIにて初めて結弦王子を生で見て、もう一度この小説を最初から読みたい気持ちに駆られています。次作も楽しみに読ませていただきますね! (2019年6月23日 17時) (レス) id: 6a04cdba45 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» やっぱりその時その時に羽生さんを投影させていると、楽しいです^^あれもこれもまだ書いてないエピソードもありますが、ちょっと気分転換もいいかなと、ちょっと強引に終わりましたが^^;また何か書ければいいなと思います! (2019年6月13日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2019年5月25日 9時