【カウントダウン】1 ☆ ページ6
暑い夏もあっという間に過ぎ去り、秋を通り越して完全に冬の気配が漂う１１月。
出産まであと１ヶ月という頃に、ゆづ王子のフリーの衣装が何度目かの手直しを終えてようやく完成した。
「わぁ〜…。」
トルソーに着せられた黒い羽の衣装。
その見れば見るほど精巧な縫製技術に、ため息しか出ない。
「Aちゃん、その身体でよく頑張ったね。」
ジョニーさんが労いの言葉をかけてくれるのだけど、私がお手伝いしたことなど羽のパーツを作ったことくらいだ。
やはり縫い付ける作業は、ジョニーさんの手でなければ、こんなに綺麗にできるなずもない。
「ジョニーさんこそ、さすがです…。」
触れるのでさえ躊躇われるほど美しい衣装に、私は手の震えが止まらない。
これを王子さまが着るという事実だけで泣きそうだ。
「スケート大会まであと１ヶ月だけど、ユヅルはどう？」
ピリピリしてる？と尋ねられて、とたんに苦笑いする。
また今年も行われる大会に向けて、ゆづ王子は調整の真っ最中だ。
「はい…それはもう。イメージトレーニングでしょうか。突然ベッドで、あーっ！て叫んだりします。」
それだけではない。
突然早歩きになったり、その場でジャンプを跳んだり。とにかく常に落ち着きなく動き回っているのだ。
「Aちゃんを驚かせてどうするんだろうね。びっくりして生まれちゃわない？」
「大丈夫です。まだまだ早いって静香さんからも言われてますし。」
大きなお腹をさすりながら、ここにとても大切な預かりものをしていることを実感する。
でもそれもあとひと月だ。
順調にいけば、皇子はスケート大会後の週末に生まれる予定になっている。
「出産は突然だからね。くれぐれも気をつけてね。」
「はい。」
頷きながら、私がこの国へ嫁いで一年が過ぎたことを感慨深く思う。
いろんなことがあったけど、なんだかあっという間の一年だった。
今度のスケート大会が終わってこの子が生まれた暁には、ゆづ王子と私は、父と母になる。
それはとても崇高で、奇跡的なこと。
国民の希望を背負って生まれてくる命を、皆で大切に育てなければ。
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鹿(プロフ) - みなみさん» みなさんの、早く次をっていうオーラがすごくて、恐縮です＾＾；こうやって一生書いてそうですが、本人の結婚までかなあ〜。一気にモチベーション下がりそうですし、妄想できないような気もしますね。いよいよ明日から幕張！ニュース楽しみ！！ (2019年5月23日 16時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 追伸。クワドアクセル、GOE+5、見たいなあ。 (2019年5月22日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - いよいよ皇子が生まれるんですね。現実から離れた設定のお話し、とても楽しかったです。なんて、終わりが見えてきたって、寂しいですが、早くも次の作品を楽しみに待ってますね。 (2019年5月22日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 雪菜さん» どうやらお帰りになった模様＾＾幕張楽しんでくださいね！お話も頑張ります〜。感想うれしいです＾＾ (2019年5月22日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - ありがとうございます！参考させていただきます。あとちょっとで始まります。楽しみです。小説の方も主人公ちゃんの陣痛が始まり産まれますね早く続きが読みたくなります！(^o^) (2019年5月22日 0時) (レス) id: 67e9c24f43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2019年4月26日 20時
