【歓声】1 ☆ ページ40
☆主人公サイド
フリーの試合もいよいよ大詰め。
幸い、お腹の痛みはさほどひどくなっていないので、このままいけば最後まで観覧出来そうでほっとする。
「次昌磨だよ…。」
ドキドキする…。と佳菜子さまが祈るように手を合わせておられる。
ここから立て続けに最後の三人が滑るのだけど、その順番が昌磨さまからハビエルさん、そして最終滑走のゆづ王子と続くのだ。
「佳菜子さまにとって、昌磨さまとはどんな存在なのですか?」
もう息つく余裕もなさそうなので、気を紛らすつもりで問いかけると…。
「えっとぉ〜…弟かな。だって心配なんだもん。」
少し悩んで納得の答えが返ってきた。
弟ならば私と高志郎のような関係かな。
「わかります。」
「靴下だってTシャツだって裏返しでも平気なんだよ?あ、弟っていうより子供に近いかも。」
「子供、ですか。」
「親心っていうのかなー。ま、昌磨は中身も子供だしね。」
さらっとそんなことが言えるあたり、本当に仲が良いんだなと思っていたら、会場のアナウンスが次に滑る選手の名前を告げた。
氷上には、いつの間にかダークグリーンの衣装に身を包んだ昌磨さまが、フェンスでコーチの女性と頷き合っている。
「綺麗な人ですね…。」
「振り付けもコーチがやってるの。昌磨、あの先生じゃないとだめなんだよね。」
髪が長くて、遠くからでも良い香水のかおりが漂ってきそうな容姿だ。
「あ、客席に昌磨さまの名前が書かれた旗のようなものがたくさんありますね。」
なんとなく会場を見渡していると、ゆづ王子の旗に混じって昌磨さまの旗があるのに気付く。
しかも待ち時間の間に手持ちの旗が増えてきたような…。
「バナーだよ。今までゆづとパトリックのがほとんどだったから、新鮮味があっていいよね!」
「見てください。あそこに一際大きなバナーがあります。」
そんな中、みんなで同じ絵柄を振っている一角が。
「きっと眠りの国応援団だよ。みんなで昌磨を応援してるんだね。」
「それはきっと力になりますね。でも応援ならばこちらも負けていられません。」
私はぐっと手で拳を作って力を入れた。
今はその姿を隠しているけど、ゆづ王子の演技が終わったら、何処からともなく無数の黄色いくまさんがリンクに投げ込まれる。
その光景は、スケートの夢そのものだ。
今回も最終滑走だし、運営側にもさほど迷惑はかからない…はず。
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鹿(プロフ) - みなみさん» みなさんの、早く次をっていうオーラがすごくて、恐縮です^^;こうやって一生書いてそうですが、本人の結婚までかなあ〜。一気にモチベーション下がりそうですし、妄想できないような気もしますね。いよいよ明日から幕張!ニュース楽しみ!! (2019年5月23日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 追伸。クワドアクセル、GOE+5、見たいなあ。 (2019年5月22日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - いよいよ皇子が生まれるんですね。現実から離れた設定のお話し、とても楽しかったです。なんて、終わりが見えてきたって、寂しいですが、早くも次の作品を楽しみに待ってますね。 (2019年5月22日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 雪菜さん» どうやらお帰りになった模様^^幕張楽しんでくださいね!お話も頑張ります〜。感想うれしいです^^ (2019年5月22日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - ありがとうございます!参考させていただきます。あとちょっとで始まります。楽しみです。小説の方も主人公ちゃんの陣痛が始まり産まれますね早く続きが読みたくなります!(^o^) (2019年5月22日 0時) (レス) id: 67e9c24f43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2019年4月26日 20時