【会談へ】4 ★ ページ4
「いいや、あれは魔物だ。こんな国に娘を嫁がせるなどあり得ない!結婚は白紙だ!!」
帰るぞ!と会談の途中にも関わらず、ラファ皇太子が付き人をつれて、逃げるように出て行ってしまう。
「皇太子!」
その去り際にまっちーが声をかけたのだけど、返事がないままもう姿もない。
そして部屋には俺と佳菜とまっちーの三人になってしまった。
「…やりすぎじゃない?」
静寂の中、佳菜がぼそっと呟く。
「うーん、驚かせすぎたかな。」
まぁ例え彼が他の場所で魔物の事をあれこれしゃべっても、誰も相手にしないだろうけど。
そもそも魔物を悪として恐れているのは、ある程度の年齢より上の層だ。
ラファ皇太子は完全にその世代だから、余計に過剰反応したのだろう。
「昌磨が聞いたら怒るかも…。」
「助けたことには変わりないじゃん。」
とりあえず一段落したので、俺はフェイに成り行きを説明するために、テレパシーで話しかけてみる。
『フェイ、こっちはあらかた片付いたけど、そっちはどう?』
すると少しの間の後、元気な声が聞こえてきた。
『あ、も〜また負けちゃった!…ごめん、何?』
『何じゃねぇし。』
遊んでた雰囲気ばればれだぞ。
『ごめーん。ゲームが面白くてつい。』
『いいけど。でさ、昌磨に伝えて。結婚の件は白紙になるから安心してって。』
『え!そうなの?!…待って、昌磨くんが驚いてる。一体どうやったの?って。』
『また詳しく教えてやるよ。』
今はとにかく安心させてやるだけでいいだろう。
『ニジンスキーも、聞いてる?』
“なんだ…上手くやっただろう…”
『うん、完璧だったわ。ありがとう。』
帰ったら何か美味しい物をご馳走すると伝えて、通信を切る。
そう言えば化粧水の話が全く出来なかったけど、あれは内容自体到底受け入れられるものではなかったから、今度は断りの返事を送るとして…。
「一件落着だな。」
衣装の首元を少しゆるめて、席を立つ。
「昌磨なんて言ってた?」
「さぁ、ゲームしてたから知らね。」
「呑気だよね〜、こっちはこんなに苦労したのに。」
そういう所が…。とぶつぶつ文句を言っている佳菜は、過去の二年間口きいてない事件を振り返っているのだろう。
あれはお前が思春期の昌磨をからかったのが原因だ。と心の中で突っ込んでおく。
「さ、帰ろ。」
俺はぶんっと腕を振って、解放感いっぱいの足取りで部屋を出た。
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鹿(プロフ) - みなみさん» みなさんの、早く次をっていうオーラがすごくて、恐縮です^^;こうやって一生書いてそうですが、本人の結婚までかなあ〜。一気にモチベーション下がりそうですし、妄想できないような気もしますね。いよいよ明日から幕張!ニュース楽しみ!! (2019年5月23日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 追伸。クワドアクセル、GOE+5、見たいなあ。 (2019年5月22日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - いよいよ皇子が生まれるんですね。現実から離れた設定のお話し、とても楽しかったです。なんて、終わりが見えてきたって、寂しいですが、早くも次の作品を楽しみに待ってますね。 (2019年5月22日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 雪菜さん» どうやらお帰りになった模様^^幕張楽しんでくださいね!お話も頑張ります〜。感想うれしいです^^ (2019年5月22日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - ありがとうございます!参考させていただきます。あとちょっとで始まります。楽しみです。小説の方も主人公ちゃんの陣痛が始まり産まれますね早く続きが読みたくなります!(^o^) (2019年5月22日 0時) (レス) id: 67e9c24f43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2019年4月26日 20時