【ショート】9 ★ ページ22
★ゆづサイド
「あー、悔しい！！」
バックヤードでジャージを羽織りながら人目もはばからずに叫ぶ。
冒頭のルッツか決まったのは良かった。良かったけど、その後のアクセルの失敗が予想外だった。
原因は分かってる。最近４回転半アクセルばかり練習してて、３回転半に微妙な影響がでてしまったのだ。
こんなことなら、６分間練習の時にもっとアクセルを跳んでおけばよかった。
「悔しい。」
タオルを椅子にぽいっと引っ掻けて、座って頬杖をつく。
今ブライアンはハビに付き添ってるからここにはいないので、一人プーを膝に置いたままプロトコルを見つつはっと息をはいた。
「ステップスピンオールレベル４、冒頭のルッツは…４．７の加点か、やった。」
落ち込むところは落ち込んで、喜ぶところは喜ぶ。
とりあえず反省会はここまでにして、他の選手の演技を見ようかと、再びプーを片手にバックヤードを出て会場へ向かう。
確か俺の後、一人はさんでハビの出番だったはず。
そっと仕切りのカーテンを開けると、タイミングの良いことにハビの演技が始まった所だった。
ショートは映画音楽だっけ。
少し懐かしい感じの曲が鳴り始めると、冒頭の４Ｔ３Ｔから、伸びやかなスケーティングが続く。
するとリンクは一気にハビの世界になった。
「すげぇ…。」
始まってほんの数秒で、彼がとても大きく見える。
構成とか技術とか、そんなん全部忘れるくらいの安心感が、会場を包んでいる。
それにコミカルな表現も彼らしい。
普段のひょうひょうとした雰囲気が地で出てるというか、とにかくプログラムが彼自身に合っていて、動きの一つ一つが、見る者をハビの世界へ引き込んでゆく。
「鮮やか…。」
アクセルでさえ大人っぽさを感じるのに、楽しさで溢れているから、ずっと見ていたいと思えるスケートだ。
気付けばノーミス。
ハビの演技が終わると、お客さんはスタンディングオーベーション。
でも技術点がもともと俺のが高いので、アクセルのミスくらいでは点数で抜かれることはない。
ただ、突き放せる程の点差にはならないから、フリーでのミスは命取りになる。
「絶対負けねー。」
自分には無いものを持ってるハビのスケートを心から尊敬しつつ、ライバルに拍手を送りながら会場を後にした。
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鹿(プロフ) - みなみさん» みなさんの、早く次をっていうオーラがすごくて、恐縮です＾＾；こうやって一生書いてそうですが、本人の結婚までかなあ〜。一気にモチベーション下がりそうですし、妄想できないような気もしますね。いよいよ明日から幕張！ニュース楽しみ！！ (2019年5月23日 16時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 追伸。クワドアクセル、GOE+5、見たいなあ。 (2019年5月22日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - いよいよ皇子が生まれるんですね。現実から離れた設定のお話し、とても楽しかったです。なんて、終わりが見えてきたって、寂しいですが、早くも次の作品を楽しみに待ってますね。 (2019年5月22日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 雪菜さん» どうやらお帰りになった模様＾＾幕張楽しんでくださいね！お話も頑張ります〜。感想うれしいです＾＾ (2019年5月22日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - ありがとうございます！参考させていただきます。あとちょっとで始まります。楽しみです。小説の方も主人公ちゃんの陣痛が始まり産まれますね早く続きが読みたくなります！(^o^) (2019年5月22日 0時) (レス) id: 67e9c24f43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2019年4月26日 20時
