【ショート】2 ★ ページ15
「それでこそユヅルだね。」
「他にも譲らない部分がたくさんあって…。」
「ちょっと、試合前なのにそんな裏話的な会話しないでよ。」
いくらチームメイトでも、これから同じリンクで戦うのだ。
ただの世間話なのは分かっているけどメンタルに関わるので、もう離れた所でイメトレしようと自分だけこの輪を抜ける。
ま、お互い怒ってるわけじゃないから、試合が終わるまでこんな感じなのはいつものことだ。
それくらい、彼は自分にとって大切で、気が合う数少ない友人の一人なのだから。
「またハビのパエリア食べたいな…。」
ふと数ヶ月前にAとお忍びで行った時のことを思い出す。
自分自身あまり食に対する欲求はないのだけど、美味しいって言っていた妻に、また食べさせてあげたいなーという単純な思考からだ。
そんな思い出に浸りつつ、とりあえず今はイメトレをしようと一人マットを敷き直していたら、不意にバックヤード裏の通路から、さっきまで頭に浮かんでいた人物の名前が聞こえて手を止める。
「側室のAさまのご出産がそろそろらしいな。」
「あぁ、お城はその準備で大変だそうだ。うちのかみさんの時は２週間早く生まれて大変だったよ。」
男性スタッフの会話のようだ。
そのまま行ってしまったということは、ただの世間話なんだろう。でも内容が内容なだけに反応してしまった。
出産か…。
もちろん楽しみにしているけど、もし今生まれてしまったら、俺はスケート大会期間中だから、子供の誕生に立ち会えないのかな。
時期的にはいつ生まれてもおかしくないから、今日明日ってことも視野にいれておかないといけないのはなんとなく分かっているのだけど、いざそうなると一体何を優先すればいいのか。
Aは一番に抱っこしてって言ってたけど、それさえも叶わない可能性もある。
「今A、どこにいるのかな…。」
突然不安な気持ちになって、いるはずがないと分かっているのに、辺りを見渡してしまう。
時間的にはまだ会場には入っていないはずだから、まだお城の方だろうか。
「ショートの時に観客席でどんな様子か見よ。」
なんだか試合前なのに集中できてない。
心の隅にあるAの存在が、いつもより大きくなっていた。
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鹿(プロフ) - みなみさん» みなさんの、早く次をっていうオーラがすごくて、恐縮です＾＾；こうやって一生書いてそうですが、本人の結婚までかなあ〜。一気にモチベーション下がりそうですし、妄想できないような気もしますね。いよいよ明日から幕張！ニュース楽しみ！！ (2019年5月23日 16時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 追伸。クワドアクセル、GOE+5、見たいなあ。 (2019年5月22日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - いよいよ皇子が生まれるんですね。現実から離れた設定のお話し、とても楽しかったです。なんて、終わりが見えてきたって、寂しいですが、早くも次の作品を楽しみに待ってますね。 (2019年5月22日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 雪菜さん» どうやらお帰りになった模様＾＾幕張楽しんでくださいね！お話も頑張ります〜。感想うれしいです＾＾ (2019年5月22日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - ありがとうございます！参考させていただきます。あとちょっとで始まります。楽しみです。小説の方も主人公ちゃんの陣痛が始まり産まれますね早く続きが読みたくなります！(^o^) (2019年5月22日 0時) (レス) id: 67e9c24f43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2019年4月26日 20時
