【30分】1 ☆ ページ31
☆主人公サイド
暖かな日が続く中、温室でアイスクリームを食べながら本が読みたくて、一人訪れる午後。
部屋から持ってきた短い逸話がいくつか載った本をガーデンテーブルに置いて、カップに入ったアイスクリームを3つ袋から出した私は、ここの住人である二人を呼ぶ。
「フェイさーん、ニジンスキーさーん。」
すると、ばさばさっと遠くから音が聞こえて、だんだん近付いてくるその様子を感じながら椅子に腰かけて袖をまくる。
「もう半袖でもいいかな。」
窓を開けていても少し暑い。
本格的な夏が来れば、この身体でここに来るのも難しくなりそうだなと思っていると、目の前に二匹がやって来て、まずニジンスキーさんが空中で言葉を発した。
“何用だ…”
相変わらず不機嫌そうだけど、かまわず対応する。
「暑いのでアイスクリームを持ってきたんです。」
食べませんか?と差し出すと、早速フェイさんがギギっと鳴いて人間の姿になった。
そして、素早い動きでさっとアイスクリームを二つ手に取る。
「嬉しい〜。」
「お口に合うかどうか分かりませんが。」
「ありがとうAちゃん!」
もう一つをニジンスキーさんに渡してふたを開けたフェイさんは、もう食べる体勢だ。
「あ、スプーン持てますか?大きすぎますか?」
小さな身体のニジンスキーさんにとっては、アイスクリームは食べにくかったかなと思っていると…。
“問題ない…”
テーブルに着地して胡座をくみ、アイスクリームを抱きかかえるように持ちながら、こちらも器用にふたを開けた。
「テーブルの上に座っちゃダメですよ。」
そんなニジンスキーさんをさりげなく注意点するのだが…。
“だまれ女…”
……。
やっぱり私の言うことはちっとも聞いてくれない。
「美味しい〜。」
そんなやりとりをしていると、隣に座ったフェイさんが、スプーンを揺らしながら女子のように身もだえた。
ちなみに今日はバニラ味のアイスクリームだ。
「よかったです。」
「Aちゃんも早く食べなよ。溶けちゃうよ。」
それもそうだなと、私もふたを開けて、少しやわらかくなっていたアイスクリームをスプーンですくう。
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鹿(プロフ) - 心菜さん» お話しに触れていただいていありがとうございます!ちょこちょこ休憩的な話を挟んでしまうがゆえに、とても長くなってしまうという…。次移行なので、またよろしくお願いします!!私は神戸インだよ!! (2019年4月23日 18時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» もうトロントへ帰ってそうですね^^でも乙女だったなあ〜。いろいろ乙女だった。今度はいつ会えるのでしょうか。ショーには出てくれるのでしょうか!あ〜仙台行きたい! (2019年4月23日 18時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 王女ちゃん1人でのお参りでも、国民の皆さんに喜んで貰えて良かった(^-^)色々応募しても何にも当たらない私ですが、1日乗車券は御用意頂けました。そしてFaoi幕張土日参加です (2019年4月22日 20時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - ニュースで笑顔が見られましたね。束の間の実家滞在になるのかな。帰国している間にいろんなお仕事が詰まってそうですもんね。とりあえず、いい表情だったなと思いました。ここのところ情報チェックする余裕があまりなく、乗り遅れています。ゆづが元気ならそれでよし。 (2019年4月20日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» そんなに壮大な話にはならないんですけどね。ちょっと昌磨さんの話を書きたかっただけなのに、変な方向にいってしまって^^;これが終わったら試合です!ご本人はもう仙台についたかなー?! (2019年4月18日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2019年3月18日 19時