【昌磨の決断】6 ★ ページ18
そして素直に開いて中に目を通しているのをしばらくそのまま待っていると、あー…。と昌磨が頭を抱えて苦笑いした。
「これってどういうこと?俺なんか誤解されてない?」
こちらもいきなり怒りを炸裂させるほど子供ではないので、まずは冷静に尋ねてみる。
すると今度は顔の前で手をぱんっと合わせた。
「ごめん!ゆづくん。」
そしていきなり謝られるのだけど、そのばつの悪そうな表情からして、何か訳がありそうだなと悟る。
「で?何でこんな手紙が俺のとこにきたの。」
まずは昌磨の説明を聞きたくて、事の真意を問う。
話はそこからだよと伝えると、言いにくそうに話始めた。
「実は…ついに結婚の話がでちゃったんだよね…。」
「結婚?…昌磨が?」
「うん…。」
それだけ言うと、がくりとうなだれる。
そう言えば前に結婚に関して、自分の知らない所で変な動きがあるとか、相手は自分で選びたいとか言ってたな。
でも王族にとって結婚は絶対だ。しかも自分で選べないから不満を感じるのは分かる。
でもそれがなぜこの手紙に繋がったのかまだ見えないので、さらに言葉を待つ。
「それで?」
「僕どうしても嫌で、事務次官の弟と大ゲンカして。」
「へー。」
昌磨でもケンカするんだ。
「で逃げようと思ったんだけど、逃げる口実がなくて。」
「うん。」
「そこで、ゆづくんに呼ばれたことにしよう!ってなって。」
「う…ん。」
調子よく話す昌磨に、その発想もどうよ…と少し返事に詰まる。
「で、この国に来たのはいいけど、泊まるところがなかったんだよね。」
「……。」
それはいつも滞在中はお城に部屋を用意していたからか。
つか、王子のくせにかなり行き当たりばったりな行動だなと、若干あきれる。
「それで知子ちゃんの家に行かせてもらって…。」
「え?」
さっとん?
「で、今泊まってる宿屋を紹介してもらった感じ?」
そこけっこう知子ちゃんの家から近いの。と、さほど重要でない情報をはさんでくる。
「それまじか。そんなの家出…いや、城出じゃね?」
「そんなことは…あるかなぁ。」
……。
つまり兄弟ゲンカからの逃亡ってことか。そりゃ弟もこんな手紙よこすわ。
「とにかく事務次官が怒ってるから早く帰った方がいいって。」
手紙を指差しつつ、ちゃんと俺が無関係だって説明してもらうためにも、帰国を勧める。
とりあえずここは昌磨の弟の俺に対する怒りを抑えてもらわないと。
121人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鹿(プロフ) - 心菜さん» お話しに触れていただいていありがとうございます!ちょこちょこ休憩的な話を挟んでしまうがゆえに、とても長くなってしまうという…。次移行なので、またよろしくお願いします!!私は神戸インだよ!! (2019年4月23日 18時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» もうトロントへ帰ってそうですね^^でも乙女だったなあ〜。いろいろ乙女だった。今度はいつ会えるのでしょうか。ショーには出てくれるのでしょうか!あ〜仙台行きたい! (2019年4月23日 18時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 王女ちゃん1人でのお参りでも、国民の皆さんに喜んで貰えて良かった(^-^)色々応募しても何にも当たらない私ですが、1日乗車券は御用意頂けました。そしてFaoi幕張土日参加です (2019年4月22日 20時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - ニュースで笑顔が見られましたね。束の間の実家滞在になるのかな。帰国している間にいろんなお仕事が詰まってそうですもんね。とりあえず、いい表情だったなと思いました。ここのところ情報チェックする余裕があまりなく、乗り遅れています。ゆづが元気ならそれでよし。 (2019年4月20日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» そんなに壮大な話にはならないんですけどね。ちょっと昌磨さんの話を書きたかっただけなのに、変な方向にいってしまって^^;これが終わったら試合です!ご本人はもう仙台についたかなー?! (2019年4月18日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鹿 | 作成日時:2019年3月18日 19時