【告白】1 ☆ ページ1
☆主人公サイド
ゆづ王子のお帰りが遅い。
二回の公開練習を終えたらすぐに戻って来ると真凜から聞いていたので、軽い食事を用意してさっきから部屋で待っているのに、一向に帰ってこないのだ。
「何か急用ができたのかな…。」
どうしよう。
今日は一緒に食事するつもりだったからいつまでも待つつもりだけど、このままでは手持ちぶさただ。
「羽のパーツでも作ろうかな。」
最近、部屋の一角に、衣装に縫い付ける羽のパーツを作るためのコーナーを設けていて、ゆづ王子が仕事に行っている間、少しずつだけどパーツ作りに励んでいるのだけど…。
じっと待つよりいいよね。
一仕事頑張ろうかなと、ふかふかのソファーから立ち上がると、不意に部屋の扉が開いた。
「ただいまー。」
ゆづ王子だ。
私はパーツコーナーへ向かうのをやめて、待ち人へと駆け寄った。
「お帰りなさいませ。」
「こら、走っちゃだめでしょ。」
「ごめんなさい。」
ほんの数歩なのに、いつも心配してくれる優しい夫に抱きつく。
「どしたの。今日のA、子供みたい。」
さっきリンクで見た時とは比べ物にならないくらい穏やかなトーンで話す声を聞きながら、そのまま胸に顔をうずめてゆく…。
どうしよう、今ものすごく甘えたい。
「洗いたての良い香りがします…。」
「汗びっしょりだったから、シャワーだけ浴びてきたの。」
察してくれたのか、私の髪をそっと撫でてくれる。
そして、とりあえず座ろう?と肩を抱かれたので言われた通りにソファーへ逆戻り。
並んで座るのが、最近の私たちの定位置だ。
「ゆづさん。今日はお疲れ様でした。」
そしてぺこっと頭を下げてまずは労いの言葉をかけたら、同じような仕草で返される。
「はい、どうもありがと。寒くなかった?」
「15分だけの見学だったので大丈夫です。それに、見ているだけで熱くなっちゃいました。」
初めて見た公開練習は、試合とも普段の練習とも違う貴重な経験だった。
「あはっ!白熱の公開練習みたいな?いや〜俺もかなりとばしたからねー。」
「まるで試合前みたいでしたね。」
それぞれが持ち味を出し惜しみすることなく、技をぶつけ合っていたような…。そんな時間だったように思う。
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鹿(プロフ) - 心菜さん» お話しに触れていただいていありがとうございます!ちょこちょこ休憩的な話を挟んでしまうがゆえに、とても長くなってしまうという…。次移行なので、またよろしくお願いします!!私は神戸インだよ!! (2019年4月23日 18時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» もうトロントへ帰ってそうですね^^でも乙女だったなあ〜。いろいろ乙女だった。今度はいつ会えるのでしょうか。ショーには出てくれるのでしょうか!あ〜仙台行きたい! (2019年4月23日 18時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 王女ちゃん1人でのお参りでも、国民の皆さんに喜んで貰えて良かった(^-^)色々応募しても何にも当たらない私ですが、1日乗車券は御用意頂けました。そしてFaoi幕張土日参加です (2019年4月22日 20時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - ニュースで笑顔が見られましたね。束の間の実家滞在になるのかな。帰国している間にいろんなお仕事が詰まってそうですもんね。とりあえず、いい表情だったなと思いました。ここのところ情報チェックする余裕があまりなく、乗り遅れています。ゆづが元気ならそれでよし。 (2019年4月20日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» そんなに壮大な話にはならないんですけどね。ちょっと昌磨さんの話を書きたかっただけなのに、変な方向にいってしまって^^;これが終わったら試合です!ご本人はもう仙台についたかなー?! (2019年4月18日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2019年3月18日 19時