【公開練習】5 ☆ ページ43
☆主人公サイド
「ねぇ真凜、本当にいいの?」
「大丈夫です。まっちーから許可は取ってますから!」
今日、リンクの間でゆづ王子の公開練習があると知って、どうしても観たくなった私は、真凜を通して大臣サイドにお願いしてみた所、なんと許可がおり今こうしてリンクへとやってきたのだが…。
前はこんな簡単に要求が通らなかったのに、やけにあっさり許可がおりたんだなと思いつつも、嬉しいのにかわりないから、さっきからわくわくが止まらない。
それに妊娠してからは、リンクは寒いからと、ゆづ王子からあまり行かないよう言われていたので、近頃全くスケートを見ていなかったのだ。
「早く見たいなぁー…。」
バックヤードからそっと会場へ入ると、少しひんやりとした空気を頬に感じる。
「リンクサイドから見てもいいそうですよ。ただ寒いので、お身体のためにも時間は15分間です。」
「そうなの?…分かった、15分だけでも嬉しいよ。」
もちろん服装は防寒対策ばっちりなので、そこは安心だ。
有り難く見させてもらおうと、分厚いカーテンをくぐってリンクへ入ると、もうすでに何人かが滑っていて、ざわざわとしたお客さんの雰囲気が伝わってくる。
「足元に気を付けてくださいね。」
真凜がいつものように甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる中、突然わぁっと大きな歓声が上がったので氷上に視線を向ける。
すると、黒い子がジャンプを着氷したところだった。
「ゆづ王子だ…!」
間違いない。あの細身のシルエットと黒い羽、それにアンテナは、私がずっと見たかった一番輝いている夫の姿だ。
そんな王子さまを早く近くで見たくて、走らない程度の早歩きでフェンスへと向かう。
「Aさま、あれまっちーじゃないですか?」
途中、真凜が遠くを見るようにリンクの一点を指差した。
すると、少しグレーがかった練習着で情熱的なステップを披露している人物がいた。
「わぁ…。」
初めて見るまっちーさんのスケートに釘付けになる。
なんだろう…。ゆづ王子とは違った魅力があるスケートだ。
「いつかのスケート大会では、ゆづ王子と僅差で二位だったんですよ。その時はゆづ王子の逆転優勝だったんですけどね。」
「そうなんだ…。」
まっちーさんとゆづ王子の優勝争いなんて…。
あぁ!もっと早くこの国に嫁いでいればよかった。
そしたら引退してしまった選手の、現役時代のスケートを見れたのに…。
一人悔しがっていると、また真凜が別の場所を指差した。
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鹿(プロフ) - みなみさん» どうなるんでしょう?!フリーどうなるんでしょうか!昨日はなかなか寝付けず、今日は遅めに起きました^^;朝のニュース、ずっとイチローさんで、ちょっとがっかり!? (2019年3月23日 8時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - サルコウが…サルコウがぁぁぁ…!点差が大きいな…。一面に書かれる言葉を気にしていたゆづだけど、全部イチローさんに持っていかれましたね。やっぱりイチロー引退には勝てないよね。そうか、イチローが引退か…。野球ファンでなくとも、結構おおきいな、これは。 (2019年3月22日 8時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 以前より、声が良くなった気がします^^そうとう使ってるなと思ったんですが…。(絶対家で歌いまくってると思われ)早く日本に帰ってこないかなー! (2019年3月18日 17時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» すごい!現地観戦だなんて!楽しんで応援してくださいね^^帰国はまだかなー。ニュースも目が離せないですね! (2019年3月18日 17時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - あっちもこっちも見るところがいっぱいあって、王子はやきもちやいちゃいますね。雪肌精のCM、素敵ですね。芝居の台詞はダメでも、ナレーションは心地よい声で向いてる気がします。引退後はあちこちから引っ張りだこでしょうね。 (2019年3月17日 19時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2019年2月15日 20時